「自分で突破できると思っても…」五輪世代・三好康児が明かすベルギーと日本の“違い”【インタビュー/前編】

2021年05月20日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「周囲からの期待は感じている」

プレーオフの合間を縫ってインタビューに応じてくれた三好。(C)Getty Images

 7月に開幕予定の東京オリンピックで活躍が期待されるのが、アントワープの三好康児だ。サッカーダイジェストWebは、ベルギーで奮闘する24歳のレフティに独占インタビューを実施。前編では、監督交代やコロナ感染など様々な経験をした2年目のシーズンを振り返ってもらった。

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――ベルギー・リーグのプレーオフ初戦のヘンク戦(2-3)は敗れましたが、5か月ぶりのゴール。久々のスタメンで気持ちも入っていた?

「直前まで自分が出るかどうか分からなかったんですが、出た時に、チームが勝つための、自分が活躍するための準備はしていました。やっとチャンスが来たと思いましたし、ゴールを決めらえて、その機会をモノにできたかなと」

――味方に一度叩いてから動いてボールを受ける、三好選手らしいゴールでした。

「あのゴールシーンは、自分が触ってから、味方の選手もイメージ通りにボールを動かしてくれて、良いパスをくれた。ああいったプレーは自分も得意ですし、うちのチームには連携してくれる選手がいるので、そこは強みとしてこれからも出していきたいですね」

――トップ下でのプレーは、やりやすそうに見えました。

「大柄なストライカーのひとつ下でプレーするのは、自分にとって一番やりやすい。そこでボールを引き出して、トップの選手を使いながら攻撃を組み立てていくのが得意なので、すごくプレーしやすいポジションです」

【動画】見事な反転から冷静なフィニッシュ!現地メディアも絶賛した三好の左足弾(1分23秒~)
――そのヘンク戦では、チーム断トツの「8点」をつける現地メディアもありました。

「トップ下をやっていた選手(リオル・ラファエロフ)が抜けて、コロナで数人の主力が出られない状況で、自分にチャンスが巡ってきて、周囲からの期待は感じています。ただ、自分はそのための準備はしてきたので、気負いはないですし、自分のプレーができれば良いなと。その期待には応えたいですけどね」

――(来季からのアンデルレヒト移籍が決まり、プレーオフは欠場となった)ラファエロフ選手は、ベルギーでの経験が豊富な選手です。学んだことも多かったのでは?

「テクニカルで、ベルギーではフィジカルを強く、個の能力が高い選手が多いなか、ボールを引き出しながら、周囲を活かして攻撃を組み立てていくタイプでした。うちでは、中心選手として攻撃を掌握していましたし、ボールの引き出し方やプレー選択の部分は、すごく参考になりましたね。

 もちろん、同じポジションですし、常に競い合っていたライバルでもありましたけど。彼は練習中からすごく質が高かったですし、10歳ぐらい年上で経験値の差もあって、常に何かを吸収させてくれるような選手でした。ロッカーも隣だったので喋る機会も多かったですし、よく声をかけてくれて、ピッチの上だけではなくて、そういった部分でも常にチームの中心でした」

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