【20-21日本人欧州組ベスト11 vol.3】「100人中99人は選ぶ」MFをMVPに!CBに吉田ではなく板倉を選んだのは…

2021年05月14日 河治良幸

伊東はスコアラーの才能を開花

河治氏が選んだ日本人欧州組のベストイレブン。赤字がMVP、浅野はパルチザンとの契約を解除。

 欧州主要リーグの2020-2021シーズンも残すところあとわずかとなった。このタイミングで、日本人選手に精通する識者にヨーロッパでプレーするサムライ戦士の中から、ベストイレブンとMVPを選出してもらった。河治良幸氏が選んだ顔ぶれは――。

――◆――◆――

 ひと口に欧州と言ってもリーグや所属クラブの難易度に違いはあるので、正直なところ選考は難しい。例えばアタッカーに関して、UEFAカントリーランキング2位のスペインでここまで1得点(国王杯は2得点)の武藤嘉紀や4位のドイツで希望のポジション、役割を与えられない中で奮闘する大迫勇也を9位ベルギーの鈴木優磨や16位セルビアの浅野拓磨と同列で評価するべきかは悩ましい。

 どこまでを"欧州主要リーグ"と見なすかも難しいが、55か国がランキングに載る中で、20位のギリシャぐらいまでか。余談になるが、人数制限のない観戦が認められて話題になったイスラエルが21位、浦和レッズに加入したキャスパー・ユンカーが昨シーズン得点王に輝いたノルウェーが22位だ。そうした背景を踏まえながらも、挑戦する環境の中で出場機会と結果を出している選手を評価する前提で、ステージの難易度を考慮する手順を取った。

【動画】ベルギーでリーグ4位の17発! 鈴木優磨の圧巻ゴール集はこちら
 前線は何より数字を重視して、ベルギーで17得点の鈴木優磨(シント=トロイデン)、セルビアで18発の浅野拓磨(パルチザンを退団)、そしてサイドアタッカーながらここまで11ゴールを記録している伊東純也(ゲンク)を選んだ。

 鈴木に関しては文句の付けようがないシーズンで、異論の余地がないだろう。最前線でポストプレーもこなせる本格派のセンターフォワードとして、欧州主要リーグで獅子奮迅の働きができるタレントが久しぶりに台頭したことは喜ばしく、さらに高いレベルでの挑戦も期待される。

 浅野は爆発的なスピードと活動量を生かし、サイドのポジションからでもゴールに絡めることが出場機会と結果につながったと言える。シーズンを待たず、リーグ戦とカップ戦のタイトルが懸かった時期に退団となったのは残念だが、残してきた結果はストライカーとして高評価に値する。

 右サイドの伊東はよりチャンスメイクをこなしながらの数字であり、欧州での成長を証明する結果だ。またヘンクではアウトサイドに張るだけでなく、かなりインサイドに入るプレーが求められたこともスコアラーの才能を開花させるきっかけになったようだ。

次ページ「記憶にない」ほど右肩上がりの日本人は…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事