東京ヴェルディ、柏レイソル、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、FC町田ゼルビア、そしてザスパクサツ群馬と６つのクラブでプレーし、J１、J２の両リーグ制覇を経験した。Jリーグ通算300試合出場・67ゴールは、実直にサッカーと向き合ってきたからこそ残せた立派な成績だ。

　そんな充実のキャリアを送ってきた林陵平は、2020年シーズンをもって現役人生に幕を引いたが、その決断に一切の後悔はなかったという。なぜすんなりと引退を決められたのか。実直なストライカーが、キャリアを振り返りながらその理由を語った。

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――引退して約２週間が経ちました、実感は湧きました？（インタビューは１月５日にオンラインで実施）

「まだ大してないです。でも、例年は動き出しているタイミングだけど、それを気にしていないのは、なんか変な感じですね」

――違和感はあるようですね。

「ちょっとだけ。12年間ずっと続けてきたことが、今はいきなりないので。オフ期間中にやることが変わりました」
 

――現在は何を？

「今いただいている仕事の準備だったり色々。あとは相変わらず海外サッカーを観ています」

――色々と仕事は受けているのですね。

「はい。サッカーキングさんのライブや、Leo the footballさんの動画にも出るので」

――引く手数多ですね。

「いやいや（笑）」

――さて、コロナでのリーグ中断期に引退を決断したとのことでしたが、何かきっかけがあったのですか？

「ふと頭の中をよぎったんですよね、『今年引退かな』って。そこで今までのサッカー人生を色々考えて振り返った時に、まったく後悔がなかったし、やり切ったという想いがあったので、そのまま決断しました」

――「色々考えて」というのは具体的に何を考えたのですか？　葛藤はなかったのでしょうか？

「意外とスッキリ決められたんですよね。どうしようか、みたいな迷いはほとんどなく、スパッと今年で終わりだなと。同時に、現役生活が終わったあとのほうが長いので、そのあとの仕事が楽しみだなという想いがあった。

　大抵の場合、次のキャリアがどうなるのかという怖さがあって、引退を迷うと思うんですけど、僕の場合はそれがなかったんですよね。特に仕事が決まっていたわけではなかったんですけど、あまり心配していませんでした」