「強化方法の真価も問われる戦いになる」3大会連続のU-20W杯出場へ、指揮官が描くコロナ禍でのチーム作りとは?

2020年06月19日 松尾祐希

U-19日本代表 影山雅永監督インタビュー【後編】「最終予選では『ぶっつけ本番でやったので負けました』と言い訳できないので…」

U-19日本代表を率いる影山監督。3大会連続でのU-20W杯出場権獲得を目指す。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 今秋にウズベキスタンで開催されるU-19アジア選手権。新型コロナウイルスの影響でほとんど活動ができていない中で、影山雅永監督はU-19日本代表をどのようにして強化していくのか。ベスト4以上に与えられる来年5月のU-20ワールドカップの出場権獲得に向けて、難しいタスクを担うのは間違いない(※U-20ワールドカップの開催国・インドネシアがベスト4以上に入った場合のみ、5位まで出場可能)。

 3大会連続でのU-20ワールドカップ出場を目指すチームの活動は現時点で白紙。影山監督は心の内をこう明かす。

「一度も活動をせずにU-19アジア選手権へ向かう日程だけは避けたい。この状況下だと、一番はサッカー界に限らずに世の中の皆様が安全な日常の暮らしをできるだけ早く取り戻すことが最優先です。その次に日常で行なわれているサッカー。つまり、Jリーグ、高体連、Jユースのアカデミーなどの活動再開です。そして、最後に来る活動が日本代表になります。

 ただ、万が一Jリーグが7月に開幕できない、U-18高円宮杯プレミアリーグなども9月以降に開幕しない場合は状況が変わります(※6月19日に中止が決定)。最終予選では『ぶっつけ本番でやったので負けました』と言い訳できないので、各方面にお願いをして、各活動の優先順位を崩す必要があるかもしれません。なので、万が一の場合の強化策は自分たちも持っていないといけないんです。

 先日、プレミアリーグ、プリンスリーグ、U-15、U-12の日常におけるリーグ戦の現状を確認するミーティングをしました。私たちはサッカーで躍動する場を早く戻すために色んな話し合いながら、代表のスケジュールを思案しています。例えば、Jリーグが7月に再開するのであれば、U-19代表としてはいつ合宿ができるのか。遅れた場合はどのタイミングで組めるのか。最悪の想定として、クラブが動いていない場合にどうするのか。ただ、大会を開催する以上はどこかで代表の活動を行なわなければいけません。何故ならば、日本各地で皆様が育ててくれた選手をさらに成長させる舞台があるのに、目指すのを諦めてはいけないからです。彼らから経験の場を奪ってはいけません。その時は我々も最大の注意を払いつつ、感染予防の環境を作りながら、移動のリスクも考えながら活動再開の準備をするつもりです」
 

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