ボタフォゴが“ナイジェリアの英雄”の獲得に動くのは本田圭佑の意向。トゥーレ・ヤヤとの“ビッグ3”実現の可能性もまだ…【現地発】

2020年04月04日 リカルド・セティオン

スタッフの2月分の給料が支払われたのは今週になってから

ミケル(右)などビッグネームの獲得は本田(左)が希望していることでもあるという。(C) Getty Images

 コロナ禍で、世界で最も人気のあるスポーツであるサッカーが止まっている。

 ブラジルでは、多くのスポンサーが降り、チケットも売れず、TVの放映権料も入らないいま、多くのチームは、選手や幹部、その他スタッフの給料カットを余儀なくされている。5月まで報酬が払えないクラブもある。

 しかし"空っぽになった"リオデジャネイロで、ひとつのチームが別の形でこの問題と戦おうとしている。他のチームが財政緊縮を遂行するなか、ボタフォゴは新たに大物選手を獲得しようとしているのだ。その名はジョン・オビ・ミケル。ここ20年で、最も偉大なアフリカ人選手のひとりだ。

 しかし、このニュースを聞いて最初に頭に浮かんだのは、「いったいボタフォゴのどこにそんな資金があるんだ?」という疑問だ。
 
 数日前にボタフォゴは、本田圭佑に月300万円以上は払えないと明らかにしたばかりだし、チームスタッフの2月分の給料が支払われたのも今週になってからだ。慢性的な財政難にあるクラブが、なぜこの状況下でビッグネームの獲得に乗り出しているのか?

 1か月ほど前、ボタフォゴは別の大物を狙っていた。かつてマンチェスター・シティで活躍し、バルセロナでもプレーしたトゥーレ・ヤヤ(青島黄海)だ。

 ボタフォゴは、リーグが中断する前から彼を欲しがっていた。名の知れたプレーヤーを加入させて、新たなスポンサーを獲得し、多くの観客を招くことで財政難を乗り切ろうとしたのだ。しかし長い交渉の末、結局合意には至らなかった。原因はやはりシンプルに「カネ」だ。選手側が望む報酬を払えなかったのだ。

 ボタフォゴ唯一のスターである本田は、試合がなくなってもリオに残り、練習にいそしみ、ポルトガル語を学ぶ日々を過ごしている。

 ここまでプレーした試合はたった1試合。しかも、早い時間帯でベンチに下がった。本人はこの交代には不満だったようだが、後半からプレーのリズムは乱れており、限界だったのは誰の目にも明らかだった。本田には、中盤で彼をサポートしてくれる存在が必要だ。
 

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