“リアル”南葛SC・柴村直弥選手兼コーチの目に映る「社会人サッカーリーグの難しさ」

2019年08月29日 伊藤 亮

「チーム全体を見るというのは以前から意識を持っていました」

インタビューに応じてくれた柴村選手兼コーチ。今回はチーム作りや社会人リーグの難しさについて語ってくれた。

 東京都社会人サッカーリーグ1部に来て3年目、南葛SCに来て2年目のシーズンを戦っている柴村直弥。福西崇史新監督が指揮を執る今シーズンは、「選手兼コーチ」という重責を担っている。今の南葛SCを語ってもらう上で、プレーヤーでありつつ指導者でもある彼以上にふさわしい人物はいない。
 
 シリーズ第2回は、選手兼コーチとして奔走する日々と、チームを形作っていく難しさに焦点を当てて話を聞いていく。
 
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 昨シーズンは右SBとCB、今シーズンはCBとして試合に出場している。サッカーを始めた時はGK。その後小学5年生の時にFWになって、高校2年からはDF。あらゆるポジションを経験したこと、そして「チーム全体を見るというのは以前から意識を持っていました」という眼。そんな視点を察知したのだろう、今シーズンから指揮を執っている福西崇史監督から選手兼コーチを打診された。
 
 現在の南葛SCはプロ・アマの混合チームだ。割合はアマチュア選手の方が多い。週4回の練習も、毎回仕事の関係で参加選手が変わる。誰が練習に来れて誰が来れないのか、直前まで連絡を取り合いながら、ポジションごとに人数を割り当て、その日の練習メニューを調整する。
 
「練習時は、基本的には自分もプレーします。プレーしながらメニューのオーガナイズの指示をして、次の練習の準備を伝えていきます。コーチとしては福西監督のイメージするように、やりたいことができるようにサポートすることを心がけています。監督が選手たちに何を求めて、何を伝えたくて、何をしてほしいのか。それを具現化できるように、時には個別に説明したりもしています」
 
 昨シーズンに比べて気を回すところ、やるべきことは確実に増えた。自身プレーしつつ、チーム全体の動きも切り盛りするのは、想像しただけで骨が折れる。しかし、そこはこれまでの経験でカバーできている。
 
「これまで所属してきたクラブの中で、一番似ているといったら当時東海社会人サッカーリーグ1部だった藤枝MYFCかもしれません(現J3)。元日本代表の斉藤俊秀さんが選手兼監督をしていて、鹿島や清水、広島で活躍した吉田康弘さんも選手兼コーチでした。今も斉藤さんなどに当時どのようにやっていたか、会ったりして話を聞かせてもらっています。僕が選手として感じていたことと、指導側が何を考えていたかをすり合わせながら勉強しながら。今、僕が南葛SCでやっていることも、藤枝の時に斉藤さんがやっていたのを見ていたのが役立っています」
 

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