【連載・東京2020】神谷優太/後編「自分をさらに高めるために、チャレンジし続ける」

2019年08月01日 サッカーダイジェスト編集部

曺監督に評価されても……移籍を決断

湘南でプロキャリアをスタート。現在はレンタル2年目の愛媛で研鑽を積む。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 2020年に開催される東京五輪。本連載では、活躍が期待される注目株の生い立ちや本大会への想いに迫る。
 
 5回目は、切れ味鋭いドリブルが持ち味で、年々類稀な攻撃センスにさらなる磨きをかけている神谷優太が登場。
 
 湘南に加入した2016年にはルーキーながらリーグ戦14試合に出場するなど、プロの舞台でもすぐに存在感を示すと、昨年からレンタルで加わっている愛媛では10番を背負い、チームを牽引。世代別代表にもコンスタントに名を連ねるエリートは、いかにその攻撃センスを身に付けてきたのか。その裏には、驚異的な決断力と行動力があった。
 
 後編で語ってもらったのは、湘南から愛媛へのレンタル移籍を決断した理由、世界との差を埋めるためにはどうすればいいか、同世代のライバルたちへの想いだ。
 
前編はこちら
【連載・東京2020】神谷優太/前編「プロになるのは当然。その先を見据えていた」

中編はこちら
【連載・東京2020】神谷優太/中編「高校時代は朝5時半から自主練。そして礼節も学んだ」

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――高校サッカーとプロの世界では、どんなところで違いを感じますか?
「全部ですよ。プレースピードもそうだし、判断が遅かったらすぐやられますし。全部違いますね」
 
――プレッシャーも大きい?
「湘南でのプロ1年目は、正直、プレッシャーとかはまったくありませんでした。スタメンで試合に出るってことしか考えていなかったので。周りのことなんか考えている暇はなかった。ただ2年目になって、湘南の7番を背負わせてもらって、ちょっとそこからプレッシャーも出てきたかもしれません。そこで、勝負の世界を自分の力でどれだけひっくり返せるかという能力の必要性を痛感しました」
 
――プロキャリアをスタートさせた湘南では、1年目から出場機会を得ます。リーグ戦では14試合でピッチに立ちましたが、2年目は7試合と出番が減少。プロ3年目の2018年シーズン、現所属の愛媛へのレンタル移籍を決断しました。
「相当に迷いましたね。17年シーズンの終盤にJリーグの試合に出させてもらって、すごく良いプレーができたんです。自分の中でもベストパフォーマンスと言ってもいいくらいで、試合が終わった後に、(監督の)曺(貴裁)さんに『なんか変わったよね』『なんか吹っ切れているよね』みたいな感じで言われて。そこでまた自信になったんですけど、でもなんかちょっと、自分の能力に対して物足りなさを感じて……それで、移籍してみようかなって。最後の最後に決めました」
 

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