ダビド・ビジャが語る、日本サッカーの印象とイニエスタとの共演【独占インタビュー|後編】

2019年02月21日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「久しぶりに彼とボール回しをして、懐かしい気分になった」

イニエスタらチームメイトとの連係も徐々に上がっている。始動直後から手応えを語っていた。写真:徳原隆元

 かつて在籍したバルセロナではリーガ・エスパニョーラ、コパ・デル・レイ、さらにチャンピオンズ・リーグなど数々のタイトルを手にしてきた。イニエスタらとともに世界最高峰のパスサッカーを展開していたダビド・ビジャは、いわばバルサイズムの体現者だ。
 
 バルサ化への切り札的存在と言っても過言ではないこのストライカーは、神戸に何をもたらそうとしているのか。
 
<前編はこちら>
 
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「このクラブはみんなが一体となって進んでいる。大きな目標を達成するために誰もが努力を怠らずによく働いているし、すごく素晴らしい」

 インタビューを実施したのは、チームが始動してからわずか5日目だったが、すでに居心地は良さそうだった。

 好印象を抱いている神戸で再びチームメイトとなったのが、アンドレス・イニエスタだ。スペイン代表では2008年EURO、10年ワールドカップを制し、バルセロナではチャンピオンズ・リーグ優勝や2度のリーグ制覇と、幾度も勝利の美酒をともに味わってきた。
 そんな盟友の存在も神戸入りの大きな要因になったのは、間違いない。加入会見での「このチームにはアンドレス・イニエスタという世界最高の選手がいる。彼のそばでスタイルをクラブに植え付けるお手伝いができることにも魅力を感じた」と語っていた。
 
 公式戦では14年ワールドカップ以来の共演となる。再びピッチ上で極上のコンビネーションを披露するため、かつての感覚を取り戻している。

「久しぶりに彼とボール回しをして、懐かしい気分になった。感触はすごく良かったよ。これからまた、どんどん関係性を深めていきたい」

 イニエスタだけではない。元ドイツ代表のポドルスキをはじめ、新加入では代表クラスのボランチ山口蛍や2年連続ベストイレブンの西大伍といった国内屈指のタレントが揃う。そうしたチームメイトとの連係面にも問題はないようだ。

「ポドルスキや他のチームメイトとも非常にポジティブなフィーリングを感じている。ピッチ外でもそうだ。積極的にコミュニケーションを図っているし、この数日間、すごく濃密な日々を過ごせているよ」

 アメリカツアー、沖縄キャンプを経てリーグ開幕を迎える。それまでにイメージを形にできるのか。
 
「もちろんだ。今それを準備している。ここからちょうど約1か月でチーム一丸となって、開幕戦には最高の状態で臨むつもりさ」

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