【横浜】4度目の“ガラ空き被弾”……なぜGK飯倉大樹はそこまでして前に出るのか?

2018年05月15日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

再開のキックオフを待つ間、一瞬だけ無人のゴールを振り返る

チームがハイライン戦術をとるなか、飯倉はディフェンスラインの背後のスペースをケアする役割も担う。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ14節]横浜1-1G大阪/5月12日/日産ス
 
 失点を許し、自分たちのキックオフでプレーが再開されるまでのわずかな時間、横浜の守護神・飯倉大樹は、一瞬だけ、チラッと後ろを振り返った。
 
 目線の先には無人のゴールがある。また、やられた――。
 
 チームがハイライン戦術をとるなか、ディフェンスラインの背後の広大なスペースをケアするのは、GKである自分の役目だ。必然的にペナルティエリアの外に出ることになる。その高い位置取りを狙われて、ロングシュートを決められるのは、これが初めてではない。
 
 G大阪との一戦では、かつてのチームメイト、藤本淳吾に50メートル越えの見事な一発をぶち込まれた。
 
「悔いの残る1失点」を喫した直後、ガラ空きのゴールを見やりながら、飯倉はどんな想いでいたのだろうか。
 
「似たような失点が多いのは、GKとしてはどんな状況でも、やっぱり苦しい。『またか』っていう。最善を尽くしたなかで、こういうのが飛んできちゃうかっていう。なんだろうな、悔しさというか、なんとも言えない気持ちになりましたね」
 
 その後、天野純のFK弾でドローに持ち込んだG大阪戦は、チームとしてポゼッションが機能し、ゲームをコントロールできていた。だからこそ「先制点はやりたくなかった」。また自身のポジショニングも、前節・名古屋戦(1-1)と同様、通常よりもやや低く構えることを心掛けていただけに、「それでもやられてしまうか」と、飯倉は肩を落とす。
 
 シチュエーションはそれぞれ異なるが、7節・広島戦、9節・湘南戦、12節・磐田戦、そして今節のG大阪戦と、前に出たことで自分が守るべきゴールを"留守"にした隙を突かれ、失点している。
 
 横浜のGKは前に出ている――相手はそこを躊躇なく狙い始めてきた。磐田戦の試合後、ディフェンスリーダーの中澤佑二は「もう、相手は迷いなく取ったらシュートを打ってくる。何試合か前までは、おっかなびっくり蹴ってきていたけど、今は迷いがない。振り切る。取ったら蹴っていいよっていう感じ」と語っていた。

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