ガンバ大阪、強化のエキスパートが明かす「クルピ招聘の狙いと補強のこれから」

2018年01月22日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

「来シーズンを考えた場合、決断しなければいけなかった」

クラブスローガンの『奪還』を手に意気上がるクルピ新監督。ガンバ大阪の命運は64歳のブラジル人指揮官に託された。写真:川本学

 1月22日にキャンプ地である沖縄に到着し、いよいよ本格始動した新生・ガンバ大阪。過去2シーズンは無冠に終わった。クラブスローガンを『奪還』と定め、レヴィー・クルピ新監督の下で捲土重来を期す。
 
 変化はピッチ内にとどまらない。吹田スタジアムは命名権が売却され、今季から「パナソニックスタジアム吹田」に生まれ変わる。クラブ内部の組織もいくつか刷新された。なかでも注目は強化部とアカデミー部の一本化で、トップ&U-23チームと並行して、下部組織の抜本的な改革にも着手する。
 
 強化の陣頭指揮を執るのが、梶居勝志・強化アカデミー部長である。鹿児島実高、大阪商大を経て松下電器に入社し、ガンバでもFWでプレーしたOB。1995年からチーム強化に携わり、2012年以降は強化部門のトップを務める生き字引だ。
 
 はたして、クルピ政権への移行はどのような経緯でなされたのか。今冬の補強オペレーションへの満足度やアカデミー改革の詳細などを問いつつ、さまざまな質問をぶつけてみた。
 
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──5シーズンに渡って長期政権を築いた長谷川健太監督が契約満了となり、ガンバは新たな指揮官を迎えました。去年のいつ頃からアクションを起こしたのですか?
 
「夏です。昨シーズンは例年より良いスタートを切れたんですが、夏まで見てるなかで、内容はどうなのかなと正直感じていた部分がありました。(シーズン終了後に)長谷川(健太)監督の契約が切れるタイミングでしたし、来シーズンをどうするのかを考えた場合、決断しなければいけない。5年という長い期間を見てもらって、我々が当初狙いとしていたところは十分に強化してもらえた」
 
──長谷川前監督の就任は、J2降格を受けた2013年でした。
 
「総得点が1位(67得点)なのに、総失点がワースト2位(65失点)で降格した。まずなにを置いても手を打つべきだったのはディフェンスの構築で、そこからスタートしてほしいとお願いした。ただそこが成果を上げて以降、プラスアルファのところで上積みを期待していたのですが、なかなか難しかった。選手の編成や選手層にもよるのでしょうが、相手にも分析されてしまって。昔やってたようなイマジネーション溢れるサッカー、ピッチ上で選手たちが自分たちで考えて選択肢を持っていくような形が少なくなっていた」

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