【なでしこの現状に迫る!|熊谷紗希×岩政大樹#1】欧州と日本の環境の差は?リヨンは「プライベートジェットで移動する時も」

2017年09月13日 岩政大樹

ヨーロッパのトップシーンで地位を確立した熊谷の見た景色は…。

女子サッカー選手とじっくり話す機会は初めてだったという岩政氏。なでしこジャパンのキャプテンとの対談は大いに盛り上がった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーの未来について考える。語る。
 対談連載の第4回は、熊谷紗希選手にお話を伺いました。
 
 女子サッカーの選手とは、これまでまったく接点がありませんでした。同じサッカーの世界で生きてはいるものの、挨拶をしたことがあるくらいで、話したことはまったくと言っていいほどありませんでした。
 
 世界のトップになかなか近づけない男子サッカーと違い、彼女たちは世界一も成し遂げました。違うフィールドであると自分を納得させる気持ちとともに、私はプロとして、少し羨ましく見ていました。
 
 今年に入り、新たな仕事をしているなかで、何人かの女子のサッカー選手とお話させていただく機会がありました。その方たちは素晴らしいキャリアを歩んでこられた方ばかりで、彼女たちと接した時に、なんだろう、とても"強さ"や"深遠さ"を感じ、印象に残ったのです。
 
 熊谷選手もそのひとりです。あまりに強い印象を抱いた私は、その場で、この対談のオファーをさせていただきました。
 
 熊谷選手はヨーロッパのトップクラブで長くプレーされています。それも守備的なポジションの選手として、ヨーロッパのトップシーンでしっかりと地位を確立されてきました。私には到底見ることのできなかった景色を見ているのでしょう。男子の代表選手ともまた違う、柔らかくも強烈なオーラを纏っていました。
 
 ここに至るまでの道のり、見てきた景色、そして見据える未来。
 
 伺ってみたい、様々な話題がすぐに浮かびます。私は話を聞き、少しだけ彼女になったつもりで、その景色を想像してみました。皆さんも、クラブでも代表でもトップを勝ち取れた所以を少しだけかじって、その味を想像してみてください。
 
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岩政大樹 このオフは忙しかったですか?
 
熊谷紗希 そうでもないですね。昼は筑波大でトレーニングし、夜は浦和レッズレディースの練習に参加していました。筑波大はすでに退学しているんですが、オフの時は研究室の先生にお世話になっています。

次ページ筑波大に進学するも、3年で中退してヨーロッパへ。

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