【鈴木大輔×岩政大樹#2】新鮮だった”スペインの守備”。チームメイトにも説教されて…

2017年08月22日 岩政大樹

ハイプレッシャーが基本だけど、状況に応じて動かないと文句を言われる。

ナスティック加入当初は、チームメイトに「いやボールを見ろよ」と注意されたという。(C)NASTIC

岩政 1年目はプレーオフに進出しましたが、2年目は残留争いに巻き込まれましたね。
 
鈴木 2年目もそれほどチーム力が落ちたわけではないんですが、経験不足が出たかなと。1年目は3部から昇格してきた勢いがあったけど、それだけでは2年目は通用しませんでした。スペイン2部は力が拮抗していて、最下位が首位に勝つことが普通にある。そのなかで上位にいるチームは、取りこぼしが少なく、勝ち方を知っているんです。
 
岩政 スペイン2部は、チームによって戦い方が違いますか? それとも結構似ています?
 
鈴木 違いますね。ボールを大切にするポゼッション主体のチームもあれば、割り切って蹴るチームもあります。
 
岩政 守備はどうでしょう?
 
鈴木 どのチームも総じてハイプレッシャーで相手のミスを狙います。ただ、プレスをかわされたら、きっちり引く。その辺は、みんな身体に染みついていて、状況に応じて動かないと文句を言われますね。
 
岩政 浮いてしまうわけですね。
 
鈴木 そうです。自分は最初の頃、まずはラインを上げようとしていたので、「いやボールを見ろよ」と言われました。
 
岩政 ほとんどの選手がサッカーを"知っている"?
 
鈴木 ですね。スペインはパスを回すイメージでしたが、守備もきっちりしていました。少し意外でした。
 
岩政 ラインコントロールは、状況に応じた判断が必要なのに、日本では極端に分けたがる傾向があると思うんです。「チームとしてラインを高くするんですか? 低くするんですか?」というように。もちろん、ベースとしての戦術はありますが、ラインコントロールも状況に合わせて個人が判断するものだと言っても、なかなか伝わりません。
 
鈴木 点を入れられないことが目的なのに、ラインを上げるのが目的になってはダメですよね。ポゼッションしたいチームが、パス回しが目的になってシュートを打たないのも問題です。状況に合わせて上手くできないのは、自分も課題でした。
 
岩政 スペインでも、試合中にパス回しが目的になってしまう時はありますか? その時は、どのポジションの選手がどういうことをやり始めます?

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