痛恨の「あのミス」にも言及…ジェラードの「脳裏に残る」チームメイト、監督、ゴール、試合とは?

2017年02月16日 ジェームズ・ピアース

デビューの喜びをかみしめたのは試合が終わったあとだった(笑)。

実に18年に及んだプロキャリア。ジェラードが印象深い選手やシーンを振り返った。(C)Getty Images

 昨年11月に現役引退し、今年1月から古巣リバプールのアカデミーコーチに就任したスティーブン・ジェラード。2000年代を彩る名手だった元イングランド代表MFが、地元紙『リバプール・エコー』の看板記者であるジェームズ・ピアース氏との独占インタビューで、自身のキャリアを振り返った。
(『ワールドサッカーダイジェスト』2017年2月2日号から転載)
 
ジェームズ・ピアース記者:スティーブンは子供の頃から根っからのリバプール・ファンで、アンフィールド(リバプールのホームスタジアム)でプレーする日を夢見ていたんだよね? そして、その夢が現実のものになったのが1998年11月29日のブラックバーン戦だ。試合前はすごくワクワクしたんじゃない?
 
スティーブン・ジェラード:ワクワクだなんてとんでもないよ、もう怖すぎて。そこにたどり着くまでの過程は、たしかに楽しかったんだ。メルウッド(リバプールの練習場)でトレーニングできるチャンスをもらったり、ジェラール・ウリエ監督をはじめ、フィル・トンプソンやサミー・リーといった首脳陣に「よくやってるね」って褒めてもらったり。でもあの日、ジャージを脱いで実際にピッチに立つ段になったら、緊張してびびりまくっていた。結局のところ、デビューの喜びをじっくりかみしめることができたのは、試合が終わったあとだったよ(笑)。
 
ピアース記者:プレミアリーグでの初ゴールは1999年12月。シェフィールド・ウェンズデイ戦だったね。
 
ジェラード:よく覚えているよ。僕にとっては、とてつもなく大きな1点だったから。あのゴールでトップチームでの基盤を作れたというか、それまではタックルやパスが持ち味みたいに思われていて、右のウイングバックやサイドバック、それから守備的ミッドフィルダーと、どちらかといえば守備的なポジションで使われていたんだ。でも、あのゴール以降、周りが「スティーブンはもっと攻撃的なポジションで使うべきじゃないのか」って感じになってね。あれは、いまでもお気に入りのゴール。確実にキャリアのトップ10には入るだろうね。
 
ピアース記者:やっぱり初ゴールというのは特別なの?
 
ジェラード:ビッグマッチで決勝ゴールを奪ったときと同じくらい興奮したよ。ゴールを決めてすぐにKOP(ゴール裏スタンド)のサポーターに向かって走ったんだ。ほんの少し前まで、僕もサポーターの一員だった。そんな自分がゴールを決め、後ろからはデイビッド・トンプソンやダニー・マーフィーといったアイドルが寄ってきて、一緒に喜んでくれる。あれは本当にスペシャルな瞬間で、特別なゴールだったのは間違いないよ。

次ページキャラが後ろにいるだけで自分が無敵の力を手に入れたように思えた。

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