「スタメンはまず岡崎を入れる」STVVホラーバッハ監督の“日本人愛”を立石CEOが明かす「嘉人が大好き」「長谷部、高徳もべた褒め」

2023年03月01日 中田徹

「次に行ったチームでも絶対に日本人選手を獲る」

日本人選手と縁が深いホラーバッハ。(C)Getty Images

 21世紀に入ってから、シント=トロイデン(STVV)が一番強かったのは2001-02シーズン(8位)、02-03シーズン(6位)。一桁順位でリーグ戦を終えたのは他に09-10シーズン(5位)、18-19シーズン(7位)、21-22シーズン(9位)の5回しかない。そのうち2回は、DMMが運営に乗り出した5年内の出来事だ。
 
 現在、STVVの指揮を振るのは2シーズン目のベルンド・ホラーバッハ。昨季はスタートでつまづいて残留争いから抜け出すのに苦労したが、後半戦で見事なラストスパートを見せて9位の結果を残した。

 今季は26節を終えた時点で10位と健闘中。もし9位以上でフィニッシュすれば21年ぶりの2シーズン連続一桁順位になる。ホラーバッハ監督は今季いっぱいでSTVVを辞めることを発表しているが、求心力を下げること無くチームを引っ張っている。特に際立つのが守備力だ。29失点はリーグ内で3番目に良いスタッツである。

 規律正しいドイツ人指揮官、その要求に応える日本人選手の相性は良さそうだが、実際のところ、ホラーバッハ監督は日本人のことをどう思っているのだろうか? STVVの立石敬之CEOにストレートに切れ込んでみた。

「彼は本当に日本人が好きですよ。『次に行ったチームでも絶対に日本人選手を獲る』と言ってますし、『日本人のスタッフが欲しい』とも言っています。実際にスタッフを誘ったのも知っています。ホラーバッハが大きなクラブに行くんだったら、そのスタッフにとっても良いこと。私たちのプロジェクト(「ここから、世界へ」)にも合います。ホラーバッハ監督は日本人のことを本当に高く評価しています」

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 昨季、STVVで活躍した原大智はこの1月、アラベスから期限付き移籍で復帰した。

「大智がSTVVに戻る前、あるドイツのクラブがホラーバッハ監督に『原大智はどうなんだ?』と聞いた。すると彼は『目をつぶって獲れ』と推薦しました。そのくらい日本人選手を高く評価している」

 ホラーバッハ監督と日本人選手の縁は2003年、ハンブルクに高原直泰が入団してから。当時、ホラーバッハはハンブルクの左SBだった。ヴォルフスブルクのコーチとして長谷部誠、大久保嘉人、シャルケのコーチとして内田篤人、ハンブルクの監督として酒井高徳、伊藤達哉と仕事をし、STVVの指揮官として9人の日本人選手と関わってきた。そして今は日本人のテクニカルスタッフ、メディカルスタッフの働きぶりも知った。

「ホラーバッハは(大久保)嘉人のことが大好き。ウォルフスブルクはグラフィッチ(28ゴールで得点王)、ジェコ(26ゴールでランキング2位)の2トップがすごかった。この2人のカウンターでブンデスリーガを制したんです。『嘉人にはかわいそうだったけれど、彼は本当にタレントだった』と言ってます」

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