【岩本輝雄のオタクも納得!】偉業達成の大久保。ただハリルジャパンに必要かと言えば、それはまた別の話だ

2015年11月24日 岩本輝雄

その勝負強さはさすがとしか言いようがない。

リーグ最終戦で決勝点をマーク。素早いターンから正確な一撃を突き刺すなど、これぞストライカーという見事なゴールだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 今季のJ1リーグ最終戦は、川崎対仙台を取材した。以前から「最後はこれ」と決めていたカードで、なぜならば、まず仙台は僕の古巣だから常に気にしているクラブだとして、そしてなによりも、"歴史的瞬間"をこの目で見届けたかったから。

【J1 PHOTOハイライト】川崎 1-0 仙台
 
 希望は叶えられたよ。前半の内容は……退屈とまでは言わないけれど、面白みに欠けていた。待望の瞬間は80分。川崎の大久保がゴールネットを揺らした。ホームチームはこの1点を守り切って勝利。そして、大久保の史上初となる3年連続得点王が決まった。
 
 たとえ、この試合で大久保がノーゴールだったとしても、結果的には得点王を獲れたわけだけど(編集部・注/第2ステージ16節時点の得点ランクは、1位:大久保(22得点)、2位:宇佐美(19得点)、3位:ドウグラス(18得点)。最終節で宇佐美は無得点、ドウグラスはハットトリック達成も21得点止まり)、この男はそんな無粋なことはしない。最後にしっかりと結果を残し、自らの偉業に華を添えるあたり、その勝負強さはさすがとしか言いようがない。
 
 ゴールも見事だった。バイタルエリアでエウシーニョからのパスを受けると、わずかなスペースのなかで素早くターン。トラップからシュートまでの流れに無駄がなく、そして右足で正確な一撃を突き刺す。仙台守備陣からすれば、相手を褒めるしかない失点だったのではないだろうか。
 
 3年連続で得点王になるのは、普通に考えてもすごいこと。コンスタントにゴールを量産する大久保はまさに完璧なストライカー。そう考えるのには、いくつかの理由がある。
 

次ページ川崎での活躍を代表でも見せられる保証はない。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事