【クラブW杯来日記念!短期集中連載】バルサ戦士の素顔――Vol.2 ブスケッツ、テア・シュテーゲン、サンドロ

2015年11月04日 山本美智子

ブスケッツ「バルサのDNAを体現するプレーヤー」

常に正しいポジションを取り、攻守を機能させるブスケッツ。今や世界屈指のアンカーに成長した。(C)Getty Images

  12月10日に開幕するクラブワールドカップで来日を果たす欧州王者バルセロナ。この言わずと知れたタレント軍団に所属する選手たちの、「素顔」に迫る短期集中連載だ。
 
 第2回は不動のボランチに君臨するセルヒオ・ブスケッツ、ドイツ生まれの守護神マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン、そしてカナリア諸島出身のサンドロ・ラミレスだ。
 
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Sergio BUSQUETS
セルヒオ・ブスケッツ

背番号5/MF/スペイン代表/1988年7月16日生まれ/189センチ・76キロ
 
 今でこそファミリネームの「ブスケッツ」が定着したが、本人はプロデビュー当初から頑なに「セルヒオ」で通してきた。実際、現在もユニホームの背中には、「SERGIO」と入れている。
 
 父親は1990年代初頭のドリームチーム時代にGKを務めたカルレス・ブスケッツ。「セルヒオ」へのこだわりは、"親の七光り"というレッテルを避けたいという、強い想いの表われだ。
 
 父のチームメイトだったロナウド・クーマンやフリオ・サリーナスは、自宅に遊びに来た際に幼いセルヒオと一緒に庭でボールを蹴ってくれた。父親を含めてプロ選手たちが先生という、誰もが羨むような最高のサッカー環境で育った。
 
 父親と異なるポジションを選んだのは、やはり比較されるのを避けたかったからだろう。
 
 その父カルレスは14歳からバルサ・カンテラで育った生え抜きで、今も地元で愛される伝説的存在だが、トップチーム在籍は8年間、スタメンを務めたのはわずか2年間のみだった。
 
 そんな父の背中を小さい頃から見ながら、セルヒオはバルサで成功することの難しさを学んできた。
 
 だからこそ、スペイン代表監督のビセンテ・デル・ボスケに「生まれ変わったら、セルヒオになりたい」と言わしめるほどのサッカーセンスに恵まれながら、まるで奢った部分がない。
 
 類稀なサッカーセンスといつもブレない謙虚さ――。まさに「バルサのDNA」を体現するプレーヤーと言っていいだろう。

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