【E-1で見たいU-21戦士】A代表入りに並々ならぬ意欲を燃やす藤田譲瑠チマや鈴木唯人。クラブで好調の小田裕太郎も面白い

2022年07月10日 松尾祐希

「A代表の選手としてオリンピックに出たい」

森保監督は「U-21代表で、アジア杯で活躍した選手を数名、選んでいきたい」と明言。藤田(写真)は最有力候補の1人だろう。(C)2022 Asian Football Confederation (AFC)

 E-1選手権が7月19日に幕を明ける。今回は2大会ぶりの自国開催となっており、日本代表は19日に香港代表、24日に中国代表、27日に韓国代表と対戦する。ただし、インターナショナルマッチデーの期間外に行なわれるため、海外組の招集は難しく、国内組のみで戦うことに。11月のカタール・ワールドカップのメンバー入りを見据えても、Jリーグで戦う選手にとってはある意味、最後のチャンスに。同時に、将来性ある若手も選考の対象になるはずで、本稿では、パリ五輪出場を目指すU-21世代からA代表に推したい選手をピックアップする。

 今年3月に立ち上がったパリ五輪を目ざすチームは、大岩剛監督の下でふたつの国際大会を戦った。3月下旬のドバイカップでは優勝を収め、6月のU-23アジアカップでは3位に入った。2度のショートキャンプを含め、過去の活動に参加したのは49名。その中で最もA代表に推したい選手は、MF藤田譲瑠チマ(横浜)だ。

 4-2-3-1ではダブルボランチの一角、4-3-3ではインサイドハーフでプレーし、豊富な運動量と優れたボール奪取能力を武器に主軸として活躍。攻撃面でもパスの配給役やビルドアップの起点として成長の跡を示し、以前のような守備一辺倒の選手ではなくなった。

 メンタル面でも頼もしさが増しており、特にリーダーシップはパリ五輪世代の中で特筆すべきモノがある。象徴的だったのは、キャプテンとして挑んだU-23アジア杯の3位決定戦だ。準決勝でウズベキスタンに敗れ、モチベーションの維持がポイントになる状況下で、トレーニングからチームメイトを鼓舞。試合当日も出場機会が限られていた選手が多くスタメンに名を連ねるなか、藤田自身はベンチスタートだったが、アップ中には自らの判断でサブ組のトレーニングではなく先発組に残り、モチベーションを高める声をかけ続けていた。
 
 帰国後も横浜で継続して試合に出場しており、コンディションは上々。大会後に「やっぱり自分もA代表の選手としてオリンピックに出たいという気持ちがある。その前にはJリーグでアピールしたり、(所属クラブで)ちゃんとスタメンで試合に出られるようにならないといけない」と話していた通り、地に足をつけてアピールを続けている。

 4-3-3を主戦システムとするA代表では、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)がインサイドハーフの一番手となるが、今大会のパフォーマンス次第ではバックアッパーとしてメンバーに食い込む余地は十分にあるはず。そうした意味でもE−1で見てみたい選手のひとりだ。
 

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