『キャプテン翼』から繋がった5年目のパートナーシップ、その現在地を見る【南葛SC×KLab 対談・前編】

2022年05月29日 伊藤 亮

岩本義弘(南葛SC GM)×藤好俊(KLab株式会社 執行役員)対談――「南葛SCと関わることになるなんて、当時の自分に聞かせたら驚くと思います(笑)」(藤好)

KLab社で行なわれた岩本GMと藤好KLab執行役員の対談。パートナーシップを築いてきたこの5年間の関係性について語っていただいた。写真:滝川敏之

 今や全世界4000万ダウンロードを誇るアプリゲーム『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』がローンチされたのは2017年6月。翌年、運営するKLab株式会社は南葛SCとパートナーシップを結んだ。以来5年、その関係は続いている。

 この5年間には昇格を巡る喜びや悲しみがあり、コロナ禍にも見舞われた。そんな様々な経験を共有してきた両者だからこそ、信頼関係が築かれていった。

 今回は、南葛SCの岩本義弘ゼネラルマネージャーとKLab株式会社の藤好俊執行役員に、両者の出会いから、チームの現在の姿について語ってもらう。

 話の中から浮かび上がってくる、両者の関係性とは――。


――◆――◆――

 南葛SCとKLab株式会社。両者がパートナーシップ契約を結んで2022年シーズンで5年目になる。5年前というと、南葛SCはまだ東京都サッカーリーグ1部時代。そもそも両者の出会いとは――。

岩本義弘 僕が提案させてもらった時って、南葛SCのGMになることは決まっていましたが、正式に発表される前のタイミングだったかと。たしか、最初は高橋陽一先生にアドバイスをいただいて伺ったと記憶しています。

藤好俊 そうだったんですか? 最初はプロデューサーの大木啓彰と2人で話を聞きましたね。それまでKLab株式会社には、どこかのスポーツクラブとパートナーシップを結ぶ前例はありませんでした。そこでまったくの0からチームを立ち上げたわけではないものの、「南葛SC」という名のチームがスタートしていることに驚いて。さらにJリーグを目指すという。かなり長いスパンで、この先チームの色をどう付けて、どのようなサッカー文化を根付かせていくのか、という点に興味を抱きました。

岩本 Jリーグのクラブだと、スポンサーのほかに、チケットとマーチャンダイジングで収入を得ます。ただ南葛SCは有料試合を実施していません。現状は95%がパートナー企業様からの収入で成り立っています。特にユニフォームにロゴが入るオフィシャルパートナーさんの割合が多いんです。KLab株式会社さんには、長年オフィシャルパートナーをしてもらっていて、本当に感謝しかないです。

藤好 もともとサッカーが好きだったのもあります。自身、高校時代にニュージーランドに1年間留学したことがあるんですけど、サッカーをやってましたから。

岩本 ニュージーランドといえばラグビー、となりそうですが?

藤好 音楽も好きだったので、海外のカルチャー誌を愛読していたんです。すると、海外サッカーの情報もいっしょに載っていて。当時は今ほどにサッカーの情報が巷に溢れていませんでしたから、雑誌と深夜のダイジェスト番組が情報源でした。僕は『キャプテン翼』世代なので、よく読んでいました。そういった影響もあってサッカーをしましたね。でも、それだけサッカーが文化と密接だったともいえます。それにしてもその後、『キャプテン翼』のゲームを作り、さらに所縁のある南葛SCと関わることになるなんて、当時の自分に聞かせたら驚くと思います(笑)。
 

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