【ブンデスリーガの注目選手/後編】バイエルンの超逸材にドルトムントの新守護神etc…新シーズンを盛り上げる5人の有望株

2021年09月17日 中野吉之伴

ブンデスリーガでもトップレベルの実力を誇る守護神

今シーズンの注目の(左から)ディアビ、ショボスライ、ムシアラ、ゴーベル、アウォニィ。(C) Getty Images

 今シーズンも「スカパー!」で全試合生中継されるのがブンデスリーガ1部だ。昨シーズンの上位チームが軒並み新監督を迎えるなか、34歳のユリアン・ナーゲルスマンに指揮を託した絶対王者バイエルンは、前人未到の10連覇を達成できるのか。久々の新チャンピオンが誕生するのか。日本人選手の活躍とともに今季も目が離せない。

 ここでは、そんな新シーズンを盛り上げる必見プレーヤーを紹介。2大ストライカーと3人の日本人選手を取り上げた前編に続く後編では、それぞれ違うキャラクターを持った5人の有望株をフィーチャーする。

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●グレゴル・コーベル(ドルトムント/スイス代表GK)
 絶対王者バイエルンの独走を阻むという意味でもドルトムントには相当の期待がかけられている。調子のいい時の破壊力はすごいが、シーズンを通しての安定感がいかんともしがたいほど欠けていたチームにとって、この新守護神のセービング能力は大きな支えとなるはずだ。

 特にビックゲームでは、相手の決定機を阻止したり、きわどいところでピンチを未然に防げたりできるかが大きなポイントとなるだけに、周囲の期待は大きい。

 元々、195センチの長身を活かしたハイボール処理や身体を大きく使ってのシュートストップに定評があったGKは、シュツットガルトでの2年間でさらに大きな成長を遂げた。その実力はすでにブンデスリーガでもトップレベルだ。

 ドルトムント加入後も、さっそく好セーブを連発。足下の技術とビルドアップへの貢献に関しては課題を残すが、最後尾からチームに確かな安心感を与えている。この守護神のセーブ率には、とくに注目してほしい。
 
●ドミニク・シュボスライ(RBライプツィヒ/オーストリア代表MF)
 昨シーズンにクラブ史上最高の2位でフィニッシュしたものの、得点力不足に泣いたRBライプツィヒ。求めていたのは、バリエーション豊富なチャンスメークに加えて、アタッキングサードで決定的な仕事ができる選手だった。

 その責務を担う選手として期待されているのが、実質1年目のこのMFだ。姉妹クラブのレッドブル・ザルツブルクから1月に移籍してきたものの、昨シーズンはケガの影響で全くプレーできなかったのだ。

 迎えた今シーズンは第2節で初スタメンを飾ると、早速の2ゴール。右足から繰り出されるシュートは鋭く、直接FKの精度も高い。ゴールへの意識が非常に強く、強引にでもシュートに持ち込むその姿勢は、時にコンビネーションに走りすぎるライプツィヒにとって貴重な存在となるはず。中盤からドリブルで長い距離を運ぶ推進力も魅力だ。

 90分を通してプレーするにはコンディションをあげる必要があるのは確かだが、ブンデスリーガの優勝争いを面白くするためにも、この20歳の爆発に期待したい。

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