【連載】識者同士のプレミア放談「まだまだ徹底的にシーズン総括|気になった監督・チーム編」

2015年06月13日 田邊雅之

スウォンジーのモンクが「私的・最優秀監督」。

スウォンジーを8位に導いたモンク監督。組織的な完成度の高いチームを作り上げた。 (C) Getty Images

田邊雅之:プレミアのシーズン総括を続けましょう。戦術の振り返りはすでにやり終えたので、今回は個人的に気になった監督やチームについて話せたら。
 
山中忍:まず監督は、プレミアで一番優秀だったのはもちろんモウリーニョなんですが、僕個人にとっての最優秀監督はスウォンジーのガリー・モンク。
 
 若いし(36歳)正規の監督としてチームを率いるのは1年目なのに、サッカーの内容自体がなかなか良かった。ポリシーが感じられるチーム作りをしていたかなと。
 
田邊:クラブ側も、よく思い切りましたよね。もともとはラウドルップをシーズン中に首にして、モンクを選手兼任の監督に据えたわけでしょう(13-14シーズン)。
 
山中:そう。でも結果的には成功している。多分、うちのクラブはこういう方向性に行くんだという明確なポリシーがあるんだと思います。
 
田邊:サウサンプトンに少し似ていますよね。
 
山中:ええ。サウサンプトンと違ってスウォンジーはヨーロッパリーグに行けなかった。でも僕の中では、そのサウサンプトンのクーマンよりも好印象だし、来シーズンに期待という感じ。田邊さんは?
 
田邊:パーデュー。ウェストハムを05-06シーズンのFAカップ決勝に連れて行ってくれたのは今でも恩に感じていますけど、ニューカッスル時代はさほど印象がよくなかった。
 
 でもクリスタル・パレスに行ったら、チームをきちんと立ち直らせて。手持ちの駒を使うのはうまいんだなと、改めて感心しました。
 
山中:力が発揮できるチームは限られるかもしれないにせよ、基本的には腕が立つ監督なんですよね。オーナーの「奴隷状態」とまで言われたニューカッスルから、現役時代の古巣に救い出されて、見た目から生き生きとしてもいましたし。
 
田邊:他ではやはり、サウサンプトンのクーマンですかね。インパクトでは僕もモンクが上だと思うんですが、さすがに手練だなと。
 
 戦術的な采配だけじゃなくて、故障者が出たときの選手の使い回し方も見事だった。

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