【中断明けの青写真|広島】テストマッチで新加入&怪我復帰組が躍動! J・サントスの得点がパフォーマンス向上の鍵に

2021年08月07日 寺田弘幸

浅野&森島がトレーニングマッチで怪我から復帰

愛媛との練習試合でJ・サントスが決めた先制ゴールに、パフォーマンス向上のヒントがあった。写真:滝川敏之

 東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J1のサンフレッチェ広島を取り上げる。

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 広島はリーグ再開1週間前の8月2日、吉田サッカー場に愛媛FCを迎えてトレーニングマッチを実施した。

 45分×3本で行なわれ、トータルスコアは5-4。広島が勝利を収めたものの、主力組がズラリと並んだ1本目は1-2で終わっている。24分にジュニオール・サントスが先制点を奪取してからは、運動量が落ちて失点を重ねてしまう問題のある内容だったが、選手たちは難しいコンディションで試合に臨んでいた。

 広島は7月下旬に、新型コロナウイルス対応のワクチン接種を行なっている。2度目のワクチン接種になるため副反応が出ることも想定していたが、城福浩監督は「ワクチンの副反応は相当に大変でした。やりたい日に練習をすることができなく、覚悟はしていたんですけど、コンディションを上げることは難しかったです」と胸の内を明かす。9日のアビスパ福岡戦に向けて、まずはコンディションを上げていかないといけない。
 
 愛媛戦ではグッドニュースもあった。中断前の試合で負傷した浅野雄也と森島司はプレーできる状態にまで回復してきている。

 特に浅野は、全体練習に合流したばかりの状況で愛媛戦に出場したが、さっそく得点を奪って、「ちょっと間隔が開いたので試合に入るときは不安もあったんですけど、入ってしまえば問題なかった。やっぱサッカーをしているときが一番楽しいし、今日プレーできて本当に良かった」と笑みを浮かべた。

 夏に加入した選手たちも存在感を示している。水戸から加入した住吉ジェラニレーションは、まったく物怖じせずピッチの上でファイト。戻ってきた松本泰志も精力的にピッチを駆け回り、「覚悟を持って帰ってきた。まずは守備の強度で今いるボランチよりリードしていけるようにやっていきたい」と意気込みを口にした。

 もっとも、大幅な戦力アップがあったわけではない。そのチームが再開後にパフォーマンスを高めるためのカギは、チーム全体で一体感を持ってアグレッシブに攻守を展開できるかにかかっている。
 

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