【ライターに訊くパリ五輪予想布陣】要注目は神村学園高の2年生FW! タレント揃う中盤で期待値が高いのは?

2021年08月01日 松尾祐希

コロナ禍以前、世代別W杯を経験した選手が主軸になっていくと予想

松尾氏が予想するパリ五輪の基本布陣。

 現在U-24日本代表が躍進を続けている東京オリンピック。ここから3年後、2024年にはパリ五輪が開催される。

 若い選手の台頭が著しい日本サッカーにおいて、次にどんな有望な選手が日の丸を背負うことになるのかは誰しもが気になるところだ。ここでは、育成年代に詳しいライターの松尾祐希氏に、パリ五輪の布陣を、主に現U-17~U-20代表(2001~2004年生まれ)のメンバーから選んで予想してもらった。

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 2024年に開催されるパリ五輪。開幕まであと3年しかなく、準備期間は長くはない。特に新型コロナウイルス感染拡大の影響で今までとは様相が違っており、国際舞台をほとんど経験できていない。

 今年5月に開催される予定だったU-20ワールドカップと同11月のU-17ワールドカップは中止。それに伴って昨年のアジア予選も戦っていない。海外遠征もほとんどできておらず、この年代で国際大会に出場した経験がある選手は数えるほどだ。

 現状で3年後のメンバーを占うのは非常に難しいが、世界の強豪国と戦っていくうえで現在開催されている東京五輪に出場している久保建英(レアル・マドリー)や鈴木彩艶(浦和)ら、コロナ禍以前に世代別W杯を経験した選手たちが主軸になっていくと予想する。

 そうした観点から布陣を考えていくと、正GKに一番近いのは鈴木だろう。東京五輪のほかにU-20W杯に1度、U-17W杯に2度出場。所属クラブでも元日本代表の西川周作からポジションを奪いつつあり、この年代で最も勢いに乗っている。身体能力が高く、GKスキルと足もとの技術はハイレベル。順調に成長を遂げていけば、3年後の本大会は鈴木がゴールマウスを守っているはずだ。
 
 鈴木のほかにも経験値豊富で将来性の高いGKが揃っており、小久保玲央ブライアンはベンフィカでプレー。昨夏はU-19チームの一員としてUEFAチャンピオンズリーグのユース版であるUEFAユースリーグの決勝にスタメンで出場し、一昨年の年末には東京五輪のメンバー候補に名を連ねた。野澤大志ブランドン(FC東京)らも能力が高く、今後の成長次第では誰が名を連ねても不思議ではないだろう。

 一方で絶対的な軸がいないのが最終ラインだ。J1の舞台でレギュラーを張っている選手はおらず、J2にも見当たらない。2019年のU-17W杯に出場している鈴木海音(磐田)が主軸候補となるが、同世代だけではなく下の世代からの突き上げも必要になってくる。

 そうした意味で期待したいのは高校3年生のチェイス・アンリ(尚志高)だ。187センチの大型DFで、運動能力や空中戦の強さに定評があり、今年6月には飛び級でU-20日本代表候補に選出。高校卒業後にいきなりヨーロッパの舞台に挑戦する可能性も秘めている。

 また、彼だけではなく下の世代にはポテンシャルを感じさせる選手がおり、左利きで187センチの高さを持つ高校2年生の竹内諒太郎(鳥栖U-18)、飛び級でU-20日本代表候補に選ばれた高校3年生の吉田温紀(名古屋U-18)らも期待値が高い。
 

次ページ中盤は久保らの招集が困難でも補えるタレントが揃う

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