「冨安選手や遠藤選手がいたクラブだよねと」営業時の知名度に大きな変化が?【STVVの野望】

2021年07月26日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「固定概念はなるべく持たないようにしています」

大学卒業後はスポーツ新聞社でカメラマンを務めるなど、これまで様々な形でスポーツに携わってきた松岡氏。現在の夢は「STVVが欧州カップ戦で戦っている姿を現地で見る」ことだという。© STVV

 17年に『DMM.comグループ』が経営権を取得し、現在では多くの日本人選手と日本人スタッフが在籍するベルギーのシント=トロイデン(STVV)。

 そこで働く人たちから話を聞き、欧州サッカークラブの"リアル"に迫るのが『ワールドサッカーダイジェスト』誌で好評連載中の「STVVの野望」だ。第7回目は、DMM.comでフットボール事業部部長を務める松岡昌平氏にジャパンブランチ(日本支部)の役割について語ってもらった。

――STVVのジャパンブランチの役割を教えてください?

「大きく分けて3つあると考えています。1つ目はスポンサー企業の獲得、2つ目は日本での広報活動、そして最後は新規事業の開拓ですね」

――どのような営業活動をしていますか?

「クラブがベルギーにあるので、Jクラブのように"地域密着"という理念を謳うことができません。当然、一方的に売りつける手法では相手にされないので、最近では、『一緒にプロダクトやサービスを作りませんか』という切り口が基本になっています。相手が求めていることを引き出して、個々にカスタマイズしたプランを提案する。事業部が始まった当初は、そんなことに気付かずにひたすら、テレアポなどをしていましたね」
――日本企業の海外進出のサポートをすることも目的のひとつと聞いています。

「そうですね。あまり大きなことは言えませんが、サッカーを通じて、その足がかりやきっかけを与えることができるのではないかと考えています」

――営業での印象的なエピソードはありますか?

「タオルメーカーの『イケウチオーガニック』さんは印象的でした。今治タオルを海外に広めたいという強い使命感を持っていて、もともと、我々がサッカークラブであることにこだわりはなかったと思います。様々なディスカッションを重ね、チームへのオリジナルタオルの提供や、ベルギーと日本国内での選手使用モデルの販売といったパートナーシップを結びましたが、『サッカークラブだからこうすべき』といった固定概念はなるべく持たないようにしようと感じました」

――現地スタッフとのコミュニケーションはどのように取っていますか?

「基本的に現地にいる日本人の営業統括責任者を通しています。なので、ベルギー人スタッフと直接連携を取るようなシーンは少ないですね」

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