【ACLプレビュー|川崎】J王者のプライドを胸に重要な初戦へ。ピッチ状況は不安も「まずは自分たちの形を通す」

2021年06月25日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「フロンターレは国内なら強い」の声を反骨心に

川崎の予想フォーメーション

 Jリーグで圧巻の強さを誇る川崎にとって、ACL制覇は悲願である。

 ここ数年では2017年に準々決勝で浦和に大逆転負けを喫し(第1戦は3-1で勝利も、第2戦は先制しながら1-4の逆転負け)、18年、19年はグループステージで敗退。

 辛酸を舐めてきた小林悠は「いろいろなところで『フロンターレは国内なら強い』と言われているのを見て、本当に自分たち自身、悔しいですし、反骨心じゃないですけどメラメラしている選手もたくさんいると思います。しっかりここでダメだと言われないように臨みたいです」と闘志を燃やしている。

 ちなみに小林は「段々、好きな温かい季節になってきたので身体が動いているなと感じますし、ACLはなかなか勝ち上がれていないですが、個人的にはゴールを決められているので、あまり苦手意識はないというか、今回もゴールを決められるんじゃないかと感じているんですよ」と頼もしい言葉も残してくれている。

 チームは6月19日に日本を発ち、20日朝にグループステージの舞台であるウズベキスタンに到着。6月26日、21時(日本時間26日の深夜1時)の初戦・大邱FC戦に向けて調整を続けてきた。

 現地は日中の直射日光は痛みを感じるような強さだというが、湿度は高くなく、鬼木達監督は「最初の2試合は現地時間の21時からなので、思ったより涼しいとは言えないですが、そういうなかでやれるのかなと感じています。ただ日本では21時から試合をあまりやらないので、身体を合わせていく必要があると考えています」と印象を語る。

 ポイントはやはり、日本とは異なる芝、グランド、そしてジャッジなどACL特有の"環境"への適応になるだろう。昨季の4-3-3への導入を機にスピーディな攻撃も増えているが、ベースはパスをつなぐスタイルの川崎にとって、グラウンドの状態は大きな鍵になるはず。今回のグループステージは中2日、しかもほぼ同じ会場で行なわれるだけに、荒れたピッチが想定される。
 
 その点を踏まえて鬼木監督は、大会への臨み方をこう話してくれた。

「まずは自分たちの形をできる限り通したいです。ただ勝負事なので、グラウンドに対応していかなくてはいけないのかなとも思っています。中途半端さだけはなくしたい。順番的にはベースに持っているもので勝負していきたいです。

 最初の試合ではグラウンド状況は悪くないと思いますが、芝の質も日本のような質ではないので、もしかしたら、大きな展開を必要とする形もあるかもしれない。そこはチームとして共有しながらやりたいです。ただどちらにしても、グラウンドのせいにせず、勝ち上がるタフさもこの大会で身に付けたいです。自分も選手も言い訳せずにやっていきたいですね」
 

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