オナイウ、坂元、川辺ら躍動した遅咲きの“ニューフェイス” 全力で2ケタ得点を取りに行くなら…

2021年06月16日 加部 究

国内組が欧州組から受けた刺激とは

日本はキルギスに5-1の快勝。国内組の活躍が目立つゲームとなった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 森保一監督をはじめ代表スタッフは、キルギスを「2次予選の同じグループの中では最も強い相手」と言って選手を送り出したという。

 確かに守田英正がドリブルでかわされ、後追いの末にPKを与えてしまったグルジギト・アリクロフやミルラン・ムルザエフは質の高いドリブルなどの武器を持っていた。だが総体的には、J1より緩い試合である。しかも恒常的に日本代表でプレーをしていないJリーガーの情報は、ほとんどキルギス側には伝わっていないはずだ。思う存分特徴を活かし次々にチャンスを創出した坂元達裕を筆頭に、ハットトリック達成のオナイウ阿道、見事なアシストをした川辺駿や古橋亨梧らは、間違いなく通常のリーグ戦よりプレーを堪能できたに違いない。彼らはチームに戻れば、当然エース級で対戦相手はスカウティングを重ねて対処してくる。それに比べれば、日常よりレベルの落ちる初対面の相手を手玉に取るのは、難しいことではなかった。
 
 オナイウは言った。

「マリノスで競争して試合に出て結果を出している。チームでやれていることを発揮したのが良かったのだと思う」

 むしろ彼らが刺激を受けたのは、欧州組と鎬を削るトレーニングだったようだ。

「代表に来るボランチの選手たちは身体的に強い選手が多い。そこをスタンダードに引き上げ、さらに長所を磨きたい」(川辺)

「トレーニングでも勉強になることが多く、意識して欧州組との強度の差を埋め、もっとやり切るプレーを増やしたい」(坂元)

 現時点ではキルギス戦に出場した中から、最終予選のスタメンを勝ち取れる選手を発掘するのは難しい。下の世代の五輪候補も合わせれば、同じポジションで3から4番手に回る選手が多いはずだ。だが反面、何人かはなんらかのきっかけ次第で、入れ替われる可能性も感じさせた。ラージグループに入り今回招集された選手たちは、単純にスタメン組と同タイプで序列が落ちる2から3番手ではなかったからだ。
 

次ページこの中から大化けする選手が出てくれば…

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