ブンデス日本勢の2014-15シーズン総括|第2弾【長谷部誠・乾貴士・大迫勇也】

2015年05月26日 遠藤孝輔

長谷部は前輪駆動型のチームを支えた「縁の下の力持ち」

アンカーとしてチームを支える献身が光った長谷部。ブンデス参戦8年目でもっとも充実したシーズンを送ったと言えるだろう。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガでプレーする日本人選手の2014-15シーズンを総括するシリーズ企画。第2弾は、フランクフルトの長谷部誠と乾貴士、1部初ゴールを決めたケルンの大迫勇也を取り上げる。
 
※キッカー誌の採点は「1」が最高評価。推定市場価格は『transfermarkt』を参照。
 
文:遠藤孝輔

ブンデス日本勢総括|第1弾【内田・酒井高・細貝】はこちら!
 
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長谷部 誠(MF/フランクフルト)
33試合出場(先発33)・0得点・2アシスト
『キッカー』誌の平均採点:3.45
推定市場価格:250万ユーロ(14年7月)→250万ユーロ(現在)
 
 フランクフルト1年目ながら、開幕直後から代えの利かないボランチとして君臨。アジアカップ参戦に伴う年明けの過密日程を乗り切り、チーム最多の33試合に先発出場した。
 
 欠場を余儀なくされたのは、出場停止だった22節のマインツ戦だけ。ブンデスリーガ参戦8年目にして、もっとも多くの出番に恵まれた。この事実だけでも、素晴らしい1年と総括できるはずだ。
 
 もちろん、フル稼働できたのはパフォーマンスの質が高く、周囲の信頼が揺らがなかったから。白眉だったのは、アンカーとしての気の利いたディフェンス。絶妙なポジショニングや出足の鋭い寄せを武器に、DFラインの前をプロテクトすれば、両サイドバックが攻め上がった裏のスペースを的確に埋めるなど、いぶし銀の輝きを放った。
 
 攻撃に重きを置いた前輪駆動型のチームを支える、まさに"縁の下の力持ち"だった。
 
 繋ぎ役としても及第点は付けられる。ビルドアップ時は頻繁にDFラインからボールを引き出して、小気味の良いパスを縦横に供給。中・長距離パスに乱れが生じることはあったものの、チームの攻撃にリズムやテンポをもたらす場面が少なくなかった。

次ページ繊細なタッチと鋭いドリブルで違いを作り出した乾。

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