「日本のサポーターは信じられない!」モナコ公室関係者のデュクリュエ氏は、なぜJリーグの虜になったのか【インタビュー】

2021年08月15日 フランソワ・ヴェルドネ(フランス『L’EQUIPE』紙記者)

「パンデミーが終わったら、またすぐ日本に行きたい」

モナコ公室アルベール2世の甥であるデュクリュエ氏。モナコ公室宮殿内にあるオフィスで撮影。

 モナコ公国のプランス・アルベール(アルベール大公)殿下の甥で、プランセス・ステファニー(ステファニー公女)の息子である28歳のルイ・デュクリュエ氏は、リーグ・アンのモナコの傍らで成長してきた。このクラブはモナコ公室がオーナーの一角を占め(所有権33%)、ホームスタジアム「スタッド・ルイⅡ」はモナコの国家遺産にもなっている。

 幼いころからそんなモナコのサポーターだった彼は、フランスとアメリカ合衆国で学業を終えると、2015年から2020年までの5年間にわたりモナコで働くことになった。主要オーナーであるロシア人ドミトリー・リボロフレフの代理を務めるヴァディム・ヴァシリエフ前副会長とオレグ・ペトロフ現副会長のアシスタントを歴任しつつ、リクルーティング部門にも携わったのだ。

 やがてルイ・デュクリュエ氏は、モナコの元ディフェンダーで親友でもあるフランソワ・モデストのお蔭もあって、ギリシャのオリンピアコスとイングランドのノッティンガム・フォレスト(オリンピアコス所有)のテクニカル・ディレクターに就任。こうして彼は2020年9月に外国へ武者修行に旅立ち、この2クラブのスカウティング部門に携わっているところだ。
 
 だが、彼の大きなパッション(情熱)の一つは、なんと日本だという。「何回行ったかもう数えきれない」。彼はかなり若い時点でこの国の魅力にはまってしまい、フットボールの「もう一つの分野」のパッションにも浸っている。それは日本代表とJクラブのユニホーム収集で、そのコレクションときたら、驚愕の一言だ。一番の親友で、彼の結婚式の証人(結婚の証明をする役割)を務めてくれたのも、日本人である。

 聞けば、「初めて日本で試合を視察したときのこともよく覚えているよ。セレッソ大阪と町田ゼルビアの試合だった!」と彼は楽しそうに笑う。

「でも最高の思い出は、やっぱりガンバ大阪とセレッソ大阪のダービー。あの雰囲気が大好きなんだ。パンデミー(パンデミック)が終息し次第、すぐ日本に行くつもり。日本代表の新ユニホームがコレクションに欠けているからね。僕はあの新ユニホーム、素晴らしいと思う!」

 こうして彼とのクラッチは直ちに連結し、ルイ・デュクリュエ氏は日本と自分の関係を大いに語り始めた。感情面でも純粋スポーツ面でも仕事面でも、強い絆で結ばれた関係を――。
 

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