U-24日本代表、ガーナ戦はOAがもたらす“チームの変貌”に期待! 吉田、遠藤、酒井は適任だ

2021年06月05日 清水英斗

アフリカ勢との重要なテストマッチの注目点は2つ

左から酒井、遠藤、吉田。OA3選手はU-24代表に良い変化を与えることができるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 急遽マッチメイクされたA代表とU-24代表の親子対決から中1日。U-24日本代表対U-24ガーナ代表の強化試合が5日に行なわれる。

 日本は東京オリンピックのグループリーグで南アフリカ、さらにアフリカ系選手を多く揃えるフランスと同組になった。本番へ向けてのシミュレーションとして、アフリカ勢との実戦経験を詰む意味で、ガーナ戦は大事なミッションと言える。

 だが、A代表戦が行なわれた札幌から福岡への移動を含めての中1日では、U-24代表は充分な休養が取れない。それを見越してか、A代表戦はサブ組とみられる選手の出場時間が長く、オーバーエイジ組についても、遠藤航が約15分出場したのみに留まった。おそらく、次のガーナ戦は、吉田麻也や酒井宏樹を含めたオーバーエイジ組、さらにA代表戦で出場機会が無かった上田綺世、三笘薫、谷晃生、あるいは起用時間が限られた久保建英らを中心に、スタメンが組まれるだろう。

 この試合、注目点は2つある。ひとつは、オーバーエイジのいない攻撃陣が、身体能力豊かなガーナを相手に、どのような前線からのプレス、ビルドアップ、仕掛けを見せられるかだ。上田や三笘は確固たる持ち味のある攻撃のカード。しかし、それがガーナに全く通用しないとなれば、別のゲームプラン、ともすればリアクション寄りの戦略に重きを置くなど、その試行錯誤がメンバー選考に影響を与えるのは間違いない。サバイバル・チャレンジだ。
 
 また、もうひとつの注目点は、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤と、3人のオーバーエイジが加わることによるチームの変質である。

 A代表戦は、まるでリオ五輪の初戦ナイジェリア戦を思い出し、頭を抱えそうになるほどふわふわとした、悪い試合の入り方だった。いきなり1失点、前半の終了間際に2失点目、後半の序盤に3失点目と、アラートを発するべき時間帯にしっかりと失点を重ねてしまい、緩むチームに集中を促す声も少なかった。

 この有様では五輪本番は絶望的。オーバーエイジの3人が加わることで、ピリッとした緊張感を持つ、戦う集団に様変わりすることが期待される。

 オーバーエイジとは、かくあるべし。
 

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