勝点3は計算できない? 侮ってはいけない南アフリカのポテンシャル【東京五輪・対戦国紹介】

2021年05月28日 河治良幸

シドニー五輪の初戦でも苦戦を…

五輪世代の主力を担うマレペ(左)とOAで招集される可能性があるタウ(右)。(C)Getty Images

 東京五輪で日本が最初に戦うのが南アフリカだ。メキシコ、フランスとの対戦を前に、いきなり勝点3を獲得しなければいけない相手だが、決して侮れないチームであることは認識しておきたい。

 思い返せばシドニー五輪の初戦でも苦戦を強いられた。2-1で勝利したものの、あの時も前半にシヤボンガ・ノンベテのゴールで先制され、高原直泰の2ゴールで何とか逆転する苦しい流れだった。

 デイビッド・ノトアネ監督が率いる今回のチームは4-3-3(オプションとして4-2-3-1も使用)をベースに攻撃的なサッカーを展開する。

 もっとも、五輪予選にあたるアフリカU-23ネーションズカップが行われたのは2年前で、ガーナとのPK戦を制して五輪出場を決めた当時から、選手の序列も変わっているはず。いわゆる欧州組も増えており、指揮官は6月に予定されるドバイ合宿でメンバーを絞り込む予定だという。

【日本代表PHOTO】U-24ガーナ、ジャマイカ戦に臨む招集メンバー27人
 確実なのは18人のメンバーに最大3人のオーバーエイジが含まれること。特に有力視されるのがプレミアリーグのブライトンに所属するパシー・タウだ。左利きのストライカーは鋭い突破力を武器にしており、前線だけでなく2列目に入ってチャンスメーカーにもなれる。さらに国内の名門クラブであるマメロディの司令塔センバ・ズワネも候補にあがっており、経験豊富な31歳が入れば精神的な支柱にもなりそうだ。

 U-24世代の主軸を担うのは予選でキャプテンマークを巻いていたテルシウス・マレペ。昨年からウクライナのFKミナイでプレーする屈強なCBだ。さらにプレミアリーグのレスター・シティに所属するMFタガロ・レサベラ、南野拓実のチームメイトであるサウサンプトンのクガオゲロ・チャウケ、ポルトガル1部のベネレンセスで主力を担う187センチのMFスフェフェロ・シトレなどポテンシャルの高い選手がいる。

 気になる前線は予選でCFを担ったポルトガルのギマラエスBでプレーするライル・フォスターがエース候補だが、その他にも今シーズンのポルトガルで5得点を記録したルーサー・シン、イングランド生まれで18歳ながら抜群の身体能力を誇るカーディフU-18のシヤボンガ・リゲンザといったタレントがおり、オーバーエイジのタウが選ばれた場合の構成が気になる。

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