【識者が選ぶブンデスのワースト11】期待外れのドルトムントから4人を選出、降格を防げなかった大迫も…

2021年05月27日 中野吉之伴

シャルケの全選手の名前をあげざるをえない

中野氏が選んだブンデスリーガのワースト11。(C)Getty images

 今シーズンのワースト11を選べと言われたら、申し訳ないがシャルケの全選手の名前をあげざるをえない。戦績もパフォーマンスも圧倒的に悪かったのだから仕方がない。よって今回のワースト11は、それ以外のクラブで期待に応えられなかった選手をピックアップしてみたいと思う。

 バイエルンのライバルとしてシーズンインしたはずのドルトムントが早々にタイトル争いから脱落し、一時はヨーロッパリーグ(EL)出場権も危ないのではという位置まで落ち込んでいたのはやはり残念だった。

 チーム全体のパフォーマンスが落ちてしまっていたとはいえ、とりわけGKロマン・ビュルキ、右SBトーマス・ムニエ、左SBニコ・シュルツ、そしてMFユリアン・ブラントの4人は期待を大きく裏切るパフォーマンスだった。
ビュルキは軽率なミスを連発し、首脳陣からの信頼を完全に失ってしまった。負傷の影響もあったとはいえ、シーズン途中に正GKの座をマルビン・ヒッツに明け渡し、今夏の放出候補に挙がっている。
 
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 パリSGから移籍のムニエは、チームの問題点だった守備バランスを整え、攻撃の起点となることを期待されていたが、なかなかチームになじむことができずに苦しんだ。とくにボールを持った時のプレー精度が安定せず、相手チームからはボール奪取の標的として狙われる試合が少なくなかった。

 左SBのシュルツはチームでどんなプレーすべきかを見失ってしまっている。ドルトムント相手に守備を固める相手が多くなるのは当然だが、そうなるとスペースがなくなり、持ち味であるスピードとダイナミックさが完全に影を潜めてしまう。何とかクロスを上げようとするが、味方に届かない。ドイツ代表からもお呼びが掛からなくなってしまった。
 
 同じようにチームに居場所がなくなったのがブラントだ。その潜在能力の高さはだれもが認めるところだが、プレーがあまりに軽すぎる。パスもドリブルも相手に引っ掛けてはカウンターの要因となってしまうのは、相当の減点対象だ。

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