【識者が推す! J1中盤戦以降の必見タレント】ロジックで得点できる鹿島FW。FC東京の“無名の青年”も

2021年05月27日 飯尾篤史

気持ちを切らさず守備から貢献する姿勢も

中盤からシンプルに相手最終ラインの裏を狙うパスが増えれば……柿谷の歓喜する姿がさらに見られるはず。写真:塚本凛平(サッカーダイジェスト写真部)

 試合数の違いこそあれ、今季のJ1リーグは日程の約3分の1が消化された。スタンディングの勢力図も徐々に見えてきたなかで、今後の各クラブの戦いぶりが気になる一方、では選手個人で注目すべきは?

 持てる能力を発揮し、スポットライトを浴びる――そんな選手は誰か。中盤戦以降の必見タレント5人を、スポーツライターの飯尾篤史氏に選出してもらった。

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 今季の開幕前、最も注目されていた選手が、名古屋の柿谷曜一朗だろう。

 愛着のあるC大阪のユニホームを脱ぎ、完全復活を期して新天地に移ったが、ここまでリーグ2得点(5月26日時点)。注目度に見合った活躍ができているとは言いがたい。

 もっとも、柿谷が不調というわけではない。

 バランスとリスク回避を重んじるチームにあって、チャンス自体が少なく、柿谷自身もトップ下で起用され、ハードワークを求められている。

「すべての試合で得点に絡みたい。目標は19得点19アシスト」

 開幕前にそう語っていただけに、現時点での成績に最も失望しているのは、他でもない柿谷自身だろう。だが、それでも気持ちを切らせることなく、守備から貢献するという姿勢を崩していない。

 そんな柿谷にとって後押しとなるのが、川崎戦での連敗以降、最前線で起用される機会が増えてきたことだ。相手チームの対策が進むなか、柿谷やガブリエル・シャビエルの個の力を最大限に生かす戦い方へ、シフトチェンジが図られつつある。中盤からシンプルに相手最終ラインの裏を狙うパスが増えれば……柿谷の歓喜する姿が、さらに見られるようになるはずだ。
 
 その名古屋に連勝し、早くも独走体制に入った川崎にも、中盤戦以降の活躍を期待した選手がいる。負傷のためにここまで出番のない大島僚太だ。

 プレシーズンに右腓腹筋肉離れを起こし、全治12週間と診断。復帰の予定がさらに長引いているようだ。チームはボール奪回とダイナミックな崩しに磨きが掛かり、大島の不在を感じさせないが、もし、今夏に田中碧がヨーロッパに旅立つとしたら、J屈指のプレーメーカーの復活は不可欠だろう。

 首位を快走するチームに加わった大島がどんなプレーを見せるのか。ライバルクラブにとっては、想像しただけで頭が痛いに違いない。
 

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