【識者が選ぶブンデスのベスト11】王者バイエルンからは4人のみ。怪物ハーランドを外した理由は…

2021年05月26日 中野吉之伴

GKはノイアーと悩んだが…

中野氏が選んだブンデスリーガのベスト11。赤字がMVP。(C)Getty images

 ブンデスリーガのベストイレブンを選出するうえで、考慮に入れたのは、選手自身のクオリティとパフォーマンスレベル、シーズンを通しての活躍、そしてチームの成績にどれくらい貢献したのかの4点だ。

 今シーズン最少失点(32点)のRBライプツィヒからはGKペーター・グラーチとCBダヨ・ウパメカノの二人をセレクト。前者はバイエルンのマヌエル・ノイアーと相当悩んだが、リーグトップの15クリーンシートを高く評価したい。的確なポジショングと無駄のないセービングで絶対的守護神として君臨していた。

 ウパメカノは終盤に少し調子を落としたものの、ほぼシーズンを通してハイパフォーマンスを見せていた。1対1に強いだけではなく、ビルドアップ能力が高く、ドリブルで中盤に持ち上がっては相手がずれたすきを抜くパスで攻撃の起点としても機能した。

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 同じようにドルトムントのマッツ・フンメルスも素晴らしかった。経験に裏打ちされたポジショニングとボールに当たるタイミングは秀逸で、今でもナンバーワンのドイツ人DFであることを証明してみせた。ドイツ代表復帰も納得だ。

 最終ラインにはもうひとり、最もセンセーショナルなチームだったウニオン・ベルリンからCBマルビン・フリードリヒを入れたい。相手の放り込みをことごとく跳ね返し、ドリブルを弾き飛ばして、ゴール前で堅牢な壁を築き上げていた。またセットプレーでの得意のヘディングを武器に計5ゴールを挙げるなど、得点源としても存在感を発揮していた点もプラス材料だ。

 ダブルボランチには、まず王者バイエルンからヨシュア・キミッヒ。卓越した視野とゲームの流れを読み取るインテリジェンスを駆使したゲームコントロール能力はさらに磨かれている。どんな試合でも手を抜くことがなく、勝利のために力を出し切るこの男がチームに与える影響は非常に大きい。

 このポジションには候補が数多くいるが、相棒にはマキシミリアン・アーノルドを推したい。6年ぶりにチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を獲得したヴォルフスブルクのキャプテンは、攻守の要としてプレーをし続けた。これが抜群にすごいという武器があるわけではないのだが、どのスキルレベルも高水準で、なにより試合による振れ幅がほとんどないのが魅力だ。シーズンを通してのコンスタントに力を発揮するという点では、リーグ屈指なのは間違いない。

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