45億円でマンU移籍が決定! 21歳の新鋭メンフィス・デパイを徹底解剖

2015年05月14日 ロベルト・ロッシ

傑出したパワーと多彩なシュートが武器。

オランダ代表で師弟関係にあったファン・ハール監督の誘いに応じる形でマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決めたデパイ。約45億円の値が付いたその実力は本物か。エキスパート診断とインサイドストーリーで掘り下げる。 (C) Getty Images

 オランダ代表の一員として20歳で臨んだブラジル・ワールドカップでは、主に途中出場で存在感を発揮したメンフィス・デパイ。176センチ・78キロという頑強な肉体に抜きん出たパワーを備え、左サイドから中央に切れ込んでのシュートが最大の武器だ。
 
 ただ、直線的なスピードはあるもののアジリティは傑出しているとは言えず、その点でややプレーが単調な印象を与える。
 
 体格的には、チェルシーのエデン・アザールに似ている。しかし、彼ほどのアジリティやクイックネスは持ち合わせていないため、1対1の突破力は明らかに見劣りする。上回っているのはシュートの威力と正確さ。
 
 インステップのパワフルショット、インフロントでカーブをかけてファーポスト際に蹴り込むミドル、さらにはインサイドのコントロールショットなど、シュートのバリエーションは豊富だ。
 
 若さゆえか、プレーにまだムラがあり、安定性・継続性という点では物足りない。また時折、消極的なプレーを選択する場面が目につく。こうした事実を見る限り、トップレベルで通用するパーソナリティの持ち主かどうか、一抹の疑問が拭えない。
 
分析:ロベルト・ロッシ
取材・構成:片野道郎
(ワールドサッカーダイジェスト2015.5.21号より修正・抜粋)

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