「失望することもあった」前バルサ第2監督が、選手との衝突、メッシのストレス、2-8大敗を激白!「中に入ってみないと分からない」

2021年05月08日 エル・パイス紙

「求められていた役割は情熱を注入することだった」

昨シーズンのバルサでキケ・セティエン監督の副官を務めたサラビア(右)。(C)Getty Images

 スペインで第2監督という本来は地味なポストがここまでメディアの注目を集めたケースは数えるほどしかない。それほど昨シーズンのバルセロナのキケ・セティエン政権下においてエデル・サラビアが放った存在感は異質だった。自軍への暴言がクローズアップされ、一部選手との確執も取り沙汰されたそのサラビアはいま、チームの長としてセグンダB(実質3部)のアンドラを指揮している。招聘したのはクラブのオーナーのジェラール・ピケ。バルサのキャプテンのひとりだ。新たなスタートを切ったサラビアに、バルサ時代を振り返りざっくばらんに語ってもらった。

――試合前にスピーカー越しに「監督、エデル・サラビア」とアナウンスされる。どんな響きがしますか?

「とても心地がいいよ。そのために長年、戦ってきたからね。最初はもちろんプロ選手を目指した。でも可能性がないと判断し、24歳の時に監督になることに目標を切り替えたんだ」

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――バルサの第2監督時代はテクニカルゾーンでの振る舞いが話題になりました。監督になってその傾向は変わりましたか?

「立ちっぱなしで試合を見る点に変わりはない。コーチが2人とも静かだから、バランスは取れている。わたしはサッカーのことになると心が燃えたぎってくる。こればかりはどうしようもない。キケに求められていた役割も情熱を注入することだった。改めないといけないところがあるのは理解している。

 でも本質的な部分を変えるつもりはない。自分の内から湧いてくるエネルギーを抑え込むことはできない。経験を通して様々なことを学んだ。状況に応じて適切な鍵盤を叩くことの大切さをね。激しい口調で指示されることを好まない選手もいる。その逆もまたしかりだ。バルサでもその点を指摘された」

――バルサを退団した時はどのような心境でしたか? 徒労感はありませんでしたか?

「いいや、まったくそんなことはなかった。時期が違っていれば、もっと大きな精神的なダメージを受けていただろう。まだわたしは若いとはいえ、キャリアを積んで人間としてある程度成熟してきた中での出来事だった。バルサでは貴重な経験もできた。わたしはそちらのほうを思い出にしたい。自分がコントロールできないことを心配しても仕方がない」
 

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