グリエーズマンはなぜ仏代表の連続出場記録を更新できたのか? 驚きの事実が明らかに【現地発】

2021年04月05日 結城麻里

代表ゴール数でも歴代4位に

ウクライナ戦に続き、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でもゴールを決めたグリエーズマン。(C)Getty Images

 フランス代表を背負う「小さな王子」ことアントワーヌ・グリエーズマンが連続46試合出場を達成、パトリック・ヴィエラの記録(連続44試合)を抜き、歴代最高(戦後)をマークした。

 グリエーズマンがフランス代表にデビューしたのは、EURO2014を間近に控えた同年3月5日(フレンドリーマッチのオランダ戦、2-0)。以来、レ・ブルー(フランス代表の愛称)に欠かせなくなったレフティは、この7年間で93試合中、89ゲームに出場。欠場はたった4試合だけだ。

 しかもこの4試合のうち3試合は、怪我や不調のせいではなく、フレンドリーマッチのためディディエ・デシャン監督がベンチに温存したもの。残り1試合も、対戦相手にスパイクを引き裂かれ、ひどい打撲を受けた4日後に、フレンドリーマッチ出場を見送っただけだった。

 そして2017年6月13日以降は1試合も欠かさず代表ピッチに立ち続け、この3月31日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(ワールドカップ欧州予選、1-0)で連続46試合の新記録を樹立したのだ。

 そればかりではない。このボスニア戦で貴重な1ゴールを決めた。その数日前のウクライナ戦(ワールドカップ欧州予選、1-1)でフランスを救ったのも、やはりこの男の見事なミドルだった。
 
 この結果、グリエーズマンは代表通算35ゴールを達成。ダビド・トレゼゲの記録(34)を抜いて、ティエリー・アンリ(51)、オリビエ・ジルー(44)、ミシェル・プラティニ(41)に次ぐ歴代4位に躍り出た。

 決定力も凄まじい。「グリエーズマンがフランス代表にデビューして以降」の出場試合数に対するゴール数+アシスト数の比率を見ると、グリエーズマンは89試合で35ゴール・21アシスト=計56で、キリアン・エムバペ(42試合で16ゴール・10アシスト=26)とオリビエ・ジルー(81試合で39ゴール・7アシスト=46)を上回っている。

 このため、1998年W杯の優勝メンバーであるビセンテ・リザラズは4月2日、『L’EQUIPE』紙コラムでこう綴った。

「今回の集合(3試合)で私が真っ先に記憶に留めるのは、アントワーヌ・グリエーズマンがレ・ブルーのキーマンであり続けているという点だ。たとえクラブ(バルセロナ)では絶頂期を送っていなくても、代表では常に不可欠な存在だ」
 

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