鹿島の新エース候補に、桜の絶対的リーダー、ロティーナの申し子…J開幕まで2週間、今季の注目株たちに迫る

2021年02月13日 元川悦子

鹿児島&宮崎キャンプのキーマン7選/伸び盛りの上田に指揮官、柳沢コーチも大きな期待

キャンプでも好調を維持するC大阪の清武と鹿島の上田。写真:滝川敏之/金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグ開幕まで2週間。鹿児島・宮崎で調整を続けていたセレッソ大阪、清水エスパルス、ジュビロ磐田らが続々とキャンプを打ち上げ、本拠地へ戻りつつある。それぞれ練習試合を行ない、徐々にチーム完成度を高めている段階だが、やはり強固な組織を構築するためには、ピッチ上の牽引者が必要不可欠。そんな重要プレーヤーに焦点を当ててみた。

――◆――◆――

 まずはザーゴ監督体制の下、2016年以来のJ1タイトル奪還を狙う常勝軍団・鹿島アントラーズ。指揮官から「非常にポテンシャルの高い選手。彼の能力が開花すれば、将来的に日本代表になる」と名指しでキーマンに指名されたのが、新エースFWの上田綺世だ。実質ルーキーだった昨季はケガで苦しみながらも二桁得点を記録。今季はさらなるゴール量産が期待される。

「僕はシュートを打つ時に選択肢を多く持つことが余裕につながると考えている。数ある選択肢の中で最善な解決策を選ぶことを意識しています」と昨季終盤にも語ったが、プロ入り1年あまりで点取り屋としての冷静さを身に着けたのは大きな収穫だ。かつて鹿島の最前線に君臨した柳沢敦・ユース監督も「上田選手が自分に似ていると言われるけど、彼の方がずっとパワフルだと思う」と力強さと前線での迫力に太鼓判を押していた。

 今季は背番号を18に変更し、エヴェラウドとともにFWの二枚看板としてゴール量産が求められる。それが鹿島の王座奪還、そして自らの日本代表定着にもつながる。コパ・アメリカなどの国際舞台も踏んでいる上田なら、何をすればその領域に近づけるかよく分かっているはず。伸び盛りの男の一挙手一投足が楽しみだ。

 その鹿島をかわしてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を勝ち取ったセレッソはレヴィー・クルピ監督率いる新体制で攻撃的な戦いができるチーム作りを進めている。ただ、ユン・ジョンファン(現ジェフ千葉)、ミゲル・アンヘル・ロティーナ(現清水エスパルス)両監督が築いた守備のベースも維持しなければ、タイトルの取れる強い集団にはなれない。そう強調するのが、絶対的リーダーの清武弘嗣だ。

【画像】J1各チームの2021年シーズン予想フォーメーション

次ページ清武が語る理想のチームスタイル。清水が挑むロティーナ戦術でキーパーソンとなるのは…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事