ネイマールの“負傷歴”はトップスター級! 度重なる離脱はパーティーのせい? フランスで渦巻く「飽き」と「失望」【現地発】

2021年02月14日 結城麻里

「またなのか」4週間の離脱が決定、CLバルサ戦第1レグは絶望的

CLバルサ戦第1レグの帰還を含む、4週間の離脱が発表されたネイマール。(C)Getty Images

 パリ・サンジェルマンのネイマールがまたしてもチャンピオンズ・リーグ、ラウンド・オブ16の決戦を前に負傷し、フランスにフラストレーションが渦巻いている。

 今回のネイマールはフランス杯(クープ・ド・フランス)のカーン戦(2月11日)で、平凡なデュエルの直後に左股下を押さえて痛がり、涙を流しながらピッチを去った。"殺人タックル"でも何でもなかったため、カーンのパスカル・デュプラ監督は試合後、「俺は泣くなんてことはしないね。そういうのはネイマールに任せるよ」と痛烈に皮肉った。

 これに激昂したのがネイマール一族だ。まず本人が「選手や監督やコメンテーターの言葉を聞くと悲しくなる。いつまで我慢できるかわからない」とソーシャルネットで怒りと悲しみを露わに。続いてネイマールの父も「私に言わせれば息子は泣くべき。あなたのような監督や、こんなレベルの審判、軽視してだんまりを決め込むリーグが存在することにね」と、デュプラ監督の写真入りで抗戦した。

 怪我した選手を思いやらなかったデュプラ監督にも非はあるが、とはいえフランス中が「またか」の感情に襲われたのは否定できない。
 
 翌12日には「左恥骨部筋肉損傷で全治約4週間」という検査結果が発表され、13日のリーグ・アンのニース戦はもとより、16日のCLバルサ戦ファーストレグの欠場も絶望的となった。しかも「約4週間」の表現には、パリSGの期待的見通しが加わっており、実は3月10日に行なわれるバルサ戦セカンドレグ出場もかなり怪しくなっている。

 2017年夏にパリに到来したネイマールは、同シーズン中の2018年2月25日にリーグ・アンのマルセイユ戦で足の指を負傷し(骨にヒビが入った)、やはりCLラウンド・オブ16(マンチェスター・ユナイテッド戦)を前に戦線を離脱。翌シーズンも2019年1月23日にクープ・ド・フランスのストラスブール戦で同じ足の指を悪化させ、またしてもCLラウンド・オブ16(レアル・マドリー戦)を前に離脱した。

 だが、この2回は必ずしもネイマールのせいだけではなかった。最初の怪我はブナ・サールの過剰タックルのせいで起こり、その後完治しないままブラジルがワールドカップを戦わせた疑いもぬぐえない。2回目の悪化はこのためだった、とも言える。

次ページフランス紙が“解体新書”風で皮肉る

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事