「もうね、レベルが違う」林陵平が振り返る名パートナーたち。特に驚愕したのが…【インタビュー後編】

2021年01月15日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「FWって一番難しいポジションだと思う」

様々な選手と2トップのコンビを組んできた。衝撃を受けたのは…。写真:徳原隆元

 東京ヴェルディ、柏レイソル、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、FC町田ゼルビア、そしてザスパクサツ群馬と6つのクラブでプレーし、J1、J2の両リーグ制覇を経験した。Jリーグ通算300試合出場・67ゴールは、実直にサッカーと向き合ってきたからこそ残せた立派な成績だ。

 そんな充実のキャリアを送ってきた林陵平は、2020年シーズンをもって現役人生に幕を引いたが、その決断に一切の後悔はなかったという。なぜすんなりと引退を決められたのか。実直なストライカーが、キャリアを振り返りながらその理由を語った。

前編はこちら

――◆――◆――

――2トップでコンビを組んだなかで印象に残っている選手はいますか?

「いろいろなタイプの選手がいましたね。FWとして凄いなと思ったのは大黒(将志)さんですね。僕がヴェルディに入って1年目の時と山形でも一緒にやっているんですけど、あの人の動き出しとか、点を取る感覚はずば抜けていました」
 
――嗅覚が鋭いというか。

「それです。もちろんセンスもあるんですけど、ポジショニングが図抜けて上手かったのが大黒さんでした。走り込むタイミングやスピードも計算されているし。点を取るための動きを何回も欠かさず行う。その点はずば抜けて凄かったです。そりゃ点取るよなって。スピードで言えば、大然が一番でしたね」

――外国人選手だとどうですか?

「それこそいろんな選手がいましたね。FWって一番難しいポジションだと思うんですよ。だって絶対クラブは外国人取ってくるんですもん。もちろんMFとかもいるけど、FWは一番多いでしょ。DFとかは言葉が通じないと難しい面もあるけど、FWは点を取れればある程度は許されるので。

 どのチームにいても毎回外国人が入ってきて、ポジション争いは本当に大変でしたね。まず試合に出ないといけないし、そこで結果を残さないと次は代えられるかもしれない。本当に難しいポジションだなって思ってやってきました。でも、たくさんの素晴らしい外国人選手とやってきた。フランサとかね。彼のテクニックは本当に異次元でしたよ」

――一緒にプレーして肌で感じた?

「もうね、レベルが違います、あれは。チャンピオンズ・リーグでレアル(・マドリー)から点を取るだけあるなって。レバークーゼンの時に決めているんですよね。僕が一緒にやった10年の頃にはもう結構な歳だったので運動量は減っていましたけど、それでも技術は錆びついていなかった。練習でも異次元の上手さで、驚愕しましたね。思わず「うまっ!!」って口に出ちゃうくらい。

 あとレアンドロ・ドミンゲスも凄かったし、2009年にヴェルディにいたレアンドロ(・レッサ・アセヴェド)も切り返しがすごく上手かった。ヴェルディで言えば、ドウグラス(・ヴィエイラ)とかアラン(・ピニェイロ)、昨年引退したほうのレアンドロ(・モンテーラ・ダ・シルバ)もインパクトは大きかったですね」

――そう考えると、林さんのライバルはかなり強烈でしたね。
「強烈すぎますよ。こっちからしたら、もう外国人はやめてくれよって思うくらい(笑)」
 

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