【浦和】ガンバ戦の完勝に導いた“いぶし銀”のふたり…元流経大コンビが再建の切り札に

2020年08月21日 サッカーダイジェスト編集部

興梠も過去に「武藤とは本当にやりやすい」と話していた

いぶし銀の働きを見せた宇賀神(左)と武藤(右)。チームを機能させた。写真:滝川敏之

 浦和レッズは19日、ガンバ大阪とJ1第11節のアウェーゲームで対戦し、3-1の勝利を飾った。3得点はいずれもボールを奪ってから素早く攻める狙いがハマったもので、1失点は井手口陽介によるワールドクラスの強烈ミドル。懸念された重心が低くなる状況を避けつつ、うまくゲームを運んだと言えるだろう。

 浦和は前節のサンフレッチェ広島戦から2連勝となったが、共通点を挙げるならCB槙野智章、SB宇賀神友弥、FW武藤雄樹の先発出場。特に、これまで出場してきた選手と違う良さを発揮しているのが左SBの宇賀神と前線の武藤だと言えるだろう。

 左SBは、今季のスタートから山中亮輔が完全にポジションを確保していた。インサイドハーフのような位置取りで攻撃に関わり、時にサイドを駆け上がる。なによりも左足の強烈ミドルと正確なクロスが魅力の、かなり攻撃性の高い選手だ。

 ただし失点場面は山中の周囲で相手に合わせられるものも数多く、諸刃の刃という印象を与えてきた。また、FWの選択肢はレオナルドと興梠慎三という得点力のあるストライカーに、長身でボールを受けられる杉本健勇をローテーションしている傾向があった。
 
 そこに入ってきた宇賀神と武藤は、いずれもボールを持たされて孤立した状況で何かを生み出すタイプかというと疑問はある。しかし、「チームを機能させる」という点ではこれまでに出場してきたようなスター性のある選手たちを超える面がある。

 このG大阪戦でも、そうした面は随所に見えていた。例えば宇賀神は自身の前に関根貴大や汰木康也という突破力のある選手がいるからこそ、サポートポジションを取るか相手を引き付ける動きで攻撃的な良さを引き出そうとし、同時に彼らの守備の負担を極力減らそうとする。

 一方の武藤は、レオナルドがゴール前の仕事に専念しやすいように中盤の守備を助ける仕事を一手に引き受け、マイボールの時にはオフ・ザ・ボールの動きで前後に相手を揺さぶって守備陣形を崩しにかかる。その結果、ストライカーはゴール前での働きに労力を使うことができる。興梠も過去に「武藤とは本当にやりやすい」と話したことがあった。
 

次ページ宇賀神と武藤はともに、ここまで苦しい時期が続いたが

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