柿谷曜一朗が挙げる天才たち「イニエスタと小野さんは別格として、1位は…」

2020年07月29日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「『天才』とは誰も思いつかないようなプレーをする人」

「天才」とは何か。10代の頃から天才と呼ばれ続けてきた柿谷が、奥深いテーマについて語ってくれた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 幼少期から類稀な才能を発揮し、10代の頃から「ジーニアス」と呼ばれ続けてきたセレッソ大阪の柿谷曜一朗が考える『天才像』とは――。天才の定義、自身の思考、天才だと思う現役選手など、奥深いテーマについて、とことん語ってもらった。

――◆――◆――

――まず、柿谷選手が考える「天才」とは?

「パッと思いつくのは、僕の好きなスタイルであり、目標であり、一緒にプレーしたいと思わせてくれる選手です」

――具体的に一緒にプレーしたいスタイルというのは?

「なんやろう、これっていうスタイルがあるわけではないんです。不思議と目が留まってしまうって言うのかな。J1だけじゃなく、J2、J3、大学生とカテゴリーを問わず、何か惹きつけられる魅力を持っているプレーヤーっているじゃないですか。歩いているだけなのにオーラを感じるというか。ネームバリューとかを抜きにしても、自然とプレーを目で追ってしまって、『早くこの人にボールが渡らんかな』って期待せずにはいられない、みたいな。そういう選手がめっちゃ好きで、同じピッチに立てたら楽しいんやろうなって。僕の勝手な意見ですけど、そういう選手こそ『天才』と呼ぶのかなと」
 
――ボールを持つとワクワクするような?

「そうそう。予想を裏切るプレーで楽しませてくれる選手。サッカーってどの試合も、どの局面もシチュエーションがまったく違うわけじゃないですか。パターンは無限にあって、対面するDF、ボールの回転数、寄せのスピードはその時々で変わる。その瞬間の選択は決められたものではないし、『絶対にこれ』という正解はない。もちろん一般的なセオリーはあるんだけど、『天才』というのは、そういう状況を判断して誰も思いつかないようなプレーをする人なんじゃないかと」

――確かに凡人では想像もできないプレーをするのが、ひとつの定義かもしれません。

「想像できないということは、DFも読めない。つまり相手の逆を突いてドリブルをしたり、予測できないタイミングでシュートやクロスを放ったりとか。ただ上手いだけじゃなくて、『そこが見えているんだ』というプレーをする人っておるでしょ。ピッチを上から見ているような感覚を持っていて、相手のリーチも把握して、どこにボールを止めるべきか、どう運ぶべきか、すべてを身体で感じてやってしまうような」
 

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