【SD独占インタビュー】内田篤人――もう一段、上のステージへ

2015年02月18日 サッカーダイジェスト編集部

サポーターの声もどんどん大きくなって信頼を感じます。

インタビューの完全版は『サッカーダイジェスト2015.1.22号』に掲載。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 チャンピオンズ・リーグ(CL)のノックアウトステージが、いよいよスタートする。その決勝トーナメント1回戦で王者レアル・マドリーに挑むのが、内田篤人が所属するシャルケだ。
 
 シャルケで5年目のシーズンを戦う内田は、CLの常連である。今シーズンのグループステージ(GS)終了時点で通算27試合(1得点)に出場している。これは日本人最多だ。いま、日本でもっとも高いレベルでプレーする選手といっても異論はないだろう。
 
 世界基準の視点を持つ男は飽くなき向上心を胸に、さらに上の世界を見つめている。
 
『サッカーダイジェスト2015.1.22号』より、内田のインタビューを抜粋してお届けしよう。
(※インタビューは14年12月22日に実施。インタビュー中の成績等のデータはその時点でのもの)
 
――◆――◆――
 
――5位で折り返した今季の前半戦を振り返ると?
 
「本当はもっと上にいなくてはいけないチームなんですけどね。今、すぐに思い浮かぶだけでも3つか4つは白星を落としたゲームがある。試合数が多いなかで怪我人も多く、ローテーションが上手くできていないのもあるけど、もう少し粘って勝点3を取っておかないと」
 
【PHOTOギャラリー】内田篤人の「ブンデス戦記」

――確かに今季のシャルケは、怪我人が多いですよね。
 
「主力だけで考えても、半分くらいいない時期もあったからね。ユリアン(ドラクスラー)とファルファンの両サイドがいなくなって、フォーメーションも4-4-2ではなくなったと思うし。ドルトムントもそうだけど、怪我人が多くなって日程的にきつくなると、チームとしてはやっぱりなかなか上手くいかない」
 
――5位とはいえ、首位バイエルンとは勝点差があります。現実的には2位ヴォルフスブルクの座を狙うのが、後半戦のシャルケの目標になりそうです。
 
「確かバイエルンって、まだ4失点しかしてないですよね? ドイツに来て思うのは、ブンデスリーガの立ち位置って常にバイエルンが頂点にいて、その下にシャルケとドルトムントとレバークーゼンの3チームがいる。そこに調子が良いところ、今シーズンで言えばヴォルフスブルクやアウクスブルク、ホッフェンハイムなんかが絡んでくるイメージ」
 
――そうしたなかで、香川真司選手、丸岡満選手の所属するドルトムントの低迷は意外でした。
 
「まあ、ウチにとってはライバルなので、落ちてもらえるぶんには問題ないですけどね(笑)。自分たちが試合をやっている時、ドルトムントの試合の速報がピッチ中央の上にあるモニターで出て、負けていたりするとスタジアム全体がすごく盛り上がって、なんだかよく分からないけど俺らが勢いづくこともある(笑)。
 
 まあ、チームが勝てない時期は難しいと思います。それにドルトムントというクラブ自体が、選手も監督もサポーターも負け慣れていない気がするし。一度歯車が噛み合わなくなると、なかなか勝ち上がれないものだけど、ここ(ウインターブレイク)で一度切れるからね。メンバーを見ればいるし、絶対に後半戦は上がってくると思う」
 
――内田選手は今季、シャルケで5シーズン目を迎えています。在籍年数としては、鹿島時代に並びました。
 
「さすがに慣れましたし、18年まで契約延長もしました。スタジアムの雰囲気も相変わらず良いし、(自分に対する)サポーターの声もどんどん大きくなって信頼も感じます。チャンピオンズ・リーグに4回も出場できて、グループステージも突破できている。
 
 欧州のクラブに所属すると言っても、そういう経験はなかなかできないからね。一度だけ(CLに)出て、パッと活躍するのはどこにいても可能性があるけど、出続けるというのはなかなか難しい」
 
――しかし今季のシャルケは序盤戦から苦戦が続き、11位に低迷していた10月にケラー監督が解任されました。ディ・マッテオ新監督には、どのような印象を持っていますか?
 
「サイドチェンジを多くしようとしていて、ロングボールの傾向が少し強いかな。やっぱりプレミア(リーグ)から来た監督だから、ロングボールを前に蹴ってシンプルに組み立てるやり方も強く意識させられる」
 
――監督はイタリア人ですが、コミュニケーションは取れていますか?
 
「監督はドイツ語を含めて5か国か6か国語を喋れるので問題ありません。試合にも出させてもらっているという意味でも、コミュニケーションは取れているのかなと」

次ページ良い試合があったり、全然ダメな試合があったり。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事