“元祖ヤングなでしこ”INAC仲田歩夢が語る、過去の葛藤と今の充実感「今は昔に比べて本当に…」

2020年07月10日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

中断期間に取り組んだのは?

今季でINAC在籍9年目を迎える。主力として責任感を強めている。写真提供:INAC神戸レオネッサ

 7月18日になでしこリーグがついに開幕する。今季注目したい選手のひとりが仲田歩夢だ。

 INAC神戸に加入して今年で9年目。かつて「ヤングなでしこ」と命名された世代別代表の一員で、3位に輝いた12年のU-20ワールドカップにも出場した。しかしINAC入団当初は満足できるほどクラブでは出番を得られず、慣れない戦術に困惑した。

 それでも今、様々な葛藤を乗り越え精神的にもタフになり、プレーの幅を広げている。

「今はサッカーが楽しい」
 笑顔で充実感を語る26歳のアタッカーに今季求められる役割とは――。

――◆――◆――
 
――開幕日(7月18日)が決まり、6月からチーム活動が再開しました。

「本当に長かったです……。2か月間もサッカーをしないなんて今までありませんでした。自粛期間は自分と向き合って、いろんなことを考える良い時間にはなりましたけど、早くみんなとサッカーをしたいなと、そういう想いをずっと抱いていました」

――再開してチームメイトと実際にグラウンドでボールを蹴った時の心境は?

「みんなといろんな練習をできるのはやっぱり楽しいなというのが真っ先に生まれた感情です。ひとりでのトレーニングはどうしてもやれることが限られていたし、寂しさもありましたから」

――自粛期間中はどう過ごしていましたか?

「基本的には家の中でできることをやっていました。多少は家の近くにある広場でランニングとかをしていましたけど、ボールを蹴る機会は本当に少なかったです」

――新しく何か始めましたか?

「YouTubeの動画を見ながら、ストレッチとかヨガとか筋トレとかをやっていました。これまでそういうフィジカル的な自主トレは日常的には取り入れていなかったんですけど、身体が固いので、これを機に取り組んでみました」

――練習が再開して、変化は感じた?

「チームでやる筋トレの時に、以前と比べてだいぶ耐えられるようになりました。苦手意識が少しなくなった感じがします」

――開幕まで、どう過ごしていきたいですか?

「ゲーム形式とポゼッションの練習には力を入れたいです。実戦的な部分を増やして、ゲーム感覚を取り戻さないと」
 

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