「レッズ花壇」がつなぐ東武動物公園と浦和レッズの絆。はじまりはOBの思いつきだった

2020年06月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

『レッズローズ』がきっかけに

今年制作された「レッズ花壇」。2万株のビオラがクラブエンブレムを形作った。写真提供:東武動物公園

 2000平方メートルの広大な花壇一面に植えられたビオラ2万株。黄色、赤、黒、白とそれぞれの花が見事な配列で並べられ、巨大なクラブエンブレムを浮かび上がらせる。

 東武動物公園の「レッズ花壇」。その名のとおり浦和レッズをイメージして作られた花壇である。

 レッズ花壇以外にも、浦和レッズと東武動物公園は、コラボチケットを発売するなど様々な取り組みを連係して行なっている。

「コラボチケットの企画はレッズさんからお話を頂きました。嬉しいですね。レッズのファン・サポーターの方にもっと東武動物公園に遊びに来てもらいたいですし、逆に東武動物公園のお客様にもレッズの試合を観に行ってほしい。その相乗効果がありますから」

 そう語るのは、東武動物公園の庭園管理士である東海林彬(とうかいりん・あきら)氏。2年前から「レッズ花壇」を手掛け、レッズとのつながりを作った張本人であり、元レッズのOB選手である。
 
 レッズとのつながりが生まれたきっかけは、思いつきだった。

 東海林氏は言う。「僕が担当しているハートフルガーデンのバラのエリアを拡張する機会がありまして。バラの品種を探していた時に、思いついたのが『レッズローズ』だったんです」。

『レッズローズ』とは、2010年に育種家の河合伸志氏によって作られたバラで、レッズの力強さや赤が表現されている品種だ。

「僕がOBだったこともあり、レッズローズには以前から興味があったんです。自分らしさを取り入れたいという想いから、プロジェクトチームでレッズローズの話をさせていただいたら、『面白いね』と言ってもらって。それからレッズローズの植樹イベントをやったりするなかで、僕が選手時代にお世話になったレッズのスタッフさんと『大きな花壇を使って何かできたら良いね』という話になりました。それからスタートしたのが『レッズ花壇』です」

 それから企画、デザイン、種の発注、苗の飼育、植え付けなどを経て、ついに昨年、「レッズ花壇」の1作目が完成した。

次ページ今年は生で観てもらえなかったからこそ…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事