ハノーファー好調のキーマン! 原口元気の“献身”はチームの底力になっている【現地発】

2020年05月28日 中野吉之伴

チームは4試合連続無敗と好調

中断期間を経ても好調なペースを維持している原口。 (C)Getty Images

 日本代表MF原口元気が所属するハノーファーはブンデスリーガ2部、第27節のオスナブリュック戦に4ー2で勝利し、順位を9位へと上げた。本来は17日に予定されていたドレスデン戦が再開後最初のゲームとなるはずだったが、ドレスデンの選手とスタッフに新型コロナウィルス陽性反応が出たために、選手・関係者に対してドレスデンの保健省は隔離措置を決断し、試合は延期となっていた。

 ハノーファーは、リーグ再開後の初戦ということが影響したのか、やはり、立ち上がりの大事な時間帯がピリッとしなかった。前半、後半ともに開始直後に失点をしてしまう。時間経過とともに徐々にリズムを作り出すが、ゴールチャンスにまで持ち込むことがなかなかできなかった。

 そんな試合展開で、原口は主軸らしいプレーでチームにリズムをもたらしていた。攻守にわたるハードワークは既に彼の代名詞となっているが、この日は攻撃に効果的なアクセントを加えていた。74分、ロングボールで抜け出すとそのままヘディングでの好トラップからペナルティエリア内に侵入。慌てた相手DFに後ろから倒されて得たPKを、途中出場のマービン・ドゥクシュが冷静に決めて同点に追いついた。

 チームは80分にドゥクシュがゴールを決め、3-2と逆転に成功する。さらに85分には、原口が試合を決定づける4点目をマークした。FKからのショートパスを受けた10番は、チェックに来ない相手DFの間をするするとドリブルで抜け、18メートルのミドルシュートをゴール右隅に沈めた。ドリブルからボールを右に置いた直後にシュートに持ち込んだタイミング、足を出した相手の股下を抜いたシュートコースがとても素晴らしい。

 リーグが中断する前、原口に話を聞く機会があった。ニュルンベルク戦(第25節3月6日)では、カウンターで攻めあがる際に、味方がボールロストしても前のめりになることなく、すぐに守備に切り替えてプレーしていた。試合後、彼はチーム内におけるバランスにとても気を配っていることを明かしてくれた。

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