【安永聡太郎】ソシエダの躍進を支える“2人の逸材”は何が凄いのか?

2020年05月19日 木之下潤

監督と選手の両方が質の高さを見せたソシエダ

ソシエダの躍進を支える代表格がウーデゴー(左)とメリーノ(右)だ。 (C)Getty Images

 僕が今シーズンのラ・リーガで最も注目しているチームは、コロナウイルスによる中断前まで、リーグ4位と大躍進を見せているレアル・ソシエダです。戦術的に醸成されたリーガの中でも、かなり目立つ存在と言えます。チャンピオンズ・リーグ(CL)出場圏内(4位以内)につけていて、サッカーの質と結果が伴った好チームです。

 監督のイマノル・アルグアシルが若手の能力を引き出し、まるで2010-2011シーズンのペップ(グアルディオラ)が指揮した時代のバルセロナのように、個と戦術を融合させたサッカーを作り上げました。

 僕としては、マドリーやバルサより質が高かった「サリーダ・デ・バロン」(直訳は「ボールの出口」。ビルドアップに似た言葉で、攻撃の始まりを表わすスペイン特有の表現)が、CLの舞台で他国の強豪相手にどこまで通用するか見てみたいですね。ただ、リーガの中堅クラブなので、数人の選手はビッグクラブに引き抜かれてしまうかもしれません。
 
 マドリーからレンタル中のノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴー(21歳)をはじめ、アンダー世代でスペイン代表経歴があるMFミケル・メリーノ(23歳)とMFイゴール・スベルディア(23歳)、スペインのフル代表にも選ばれるFWミケル・オジャルサバル(23)など、質が高い選手が揃っていますからね。正直、今シーズンのチームは「解体される可能性が高いのかな」というのが本音です。

 でも、CL出場権を確保できれば、それを武器に、クラブが頑張って選手たちの引き止め交渉を行なうかもしれません。いまの中心選手たちは、もちろん来シーズンも主力として試合に出場できる可能性が高いので、チームに残ってくれるかもしれないという淡い期待も持っています。それほど、シーズンを追うごとに完成度を高めていった好チームでした。

 そこで、今回はそんなソシエダの若手に注目し、彼らが「どのように良かったのか」を解説していきます。ぜひ、これを機会にソシエダの選手たちもチェックしてみてください。
 

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