【藤本淳吾は今どうしている?|後編】揺るぎない自信、だが現実に直面して逡巡も

2020年05月04日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「焦りとか不安とか、そこまでない」

昨季途中にG大阪から京都へレンタル移籍し、自身初となるJ2でプレー。貴重な経験を積んだ。(C)RENOFA YAMAGUCHI

 ガンバ大阪と京都サンガF.C.でプレーした昨季、シーズン終了後には両クラブと契約が満了。その後、藤本淳吾の新たな移籍先は決まらないまま、現在に至っている。今後はいかなるプランで再出発を図ろうとしているのか。それは現役としてなのか、それとも――。

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――◆――◆――

――新天地を探すなかで、重視していることは?
「こだわっているのは……特にないかな。仲介人の方にいろんなクラブを探してもらっているけど、36歳という年齢は少なからずネックになっているみたいで。"ぜひ欲しい"と言われる選手ではないのかもしれないけど、でも年齢のことを言われたら、もうどうしようもない。詐称するわけにもいかないし(笑)。それで交渉のテーブルにさえ乗れないんだったら、こだわりも何もないというか。できれば家族と一緒にいたいから、関東近辺のクラブだと嬉しいっていうのはあるけど」

――移籍先がなかなか決まらず、焦りや不安をどう受け止めている?
「いや、焦りとか不安とか、そこまでないですよ」

――そうなの!?
「(母校の)桐光学園のサッカー部で練習できていた時はそこで身体を動かせたし、あとは家にいる時間が長いし、子どもの学校のことだったり、習い事だったり、自分のサッカーのことだったり。なんやかんやで、それで1日が終わるから」
 
――これまであまりできなかったことに時間を割ける?
「それはある。ただそのなかでも、いつ決まるんだろうっていう想いはあったし、練習参加させてもらったクラブもある。そこで契約を提示してもらったけど、いろいろ考えた結果、最終的にはお断りする形になって……。自分からお願いして、練習参加させてもらいながら断ってしまって、それは本当に申し訳なく思っている。いずれにしても今はフリーの身でもあるので、期限も関係ないから、とりあえず準備だけはしておこう、と。同時に、辞めるかどうかも考えながら」

――辞めるかどうかを考える、それは過去形だよね?
「いやいや、今も決まっていないわけだから、考えていないわけではない。それには、今季のリーグ戦のレギュレーション変更も少なからず関係している。降格がないわけでしょ? そうなると、どうしてもチームの編成は若手に切り替わるだろうし」
 

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