キックオフから30秒の決勝弾!帝京長岡MF谷内田哲平が、無念の途中交代から挽回できた理由【選手権】

2020年01月06日 松尾祐希

「自分もマジかと感じました」

京都に内定している谷内田哲平。前半に挙げた決勝点のシーン以外でも好機を作り出す活躍だった。写真:滝川敏之

[高校選手権準々決勝]帝京長岡1-0仙台育英/1月5日(日)/等々力陸上競技場

 不甲斐ない出来に終わった3回戦から中1日。頼れる14番が期待に応えた。

 1月5日に行なわれた仙台育英との準々決勝。新潟県勢史上初のベスト4入りを決めた一戦で、主役となったのは谷内田哲平(3年)だ。来季からの京都入りが内定している大会屈指のプレーメーカーは、電光石火の一撃でチームに歓喜をもたらした。

 キックオフの笛からわずか30秒。晴山岬(3年/町田入団内定)が左サイドからグラウンダーのクロスを入れると、谷内田は3列目からペナルティエリア内に飛び込む。ダイレクトで右足を振り向くと、ゴールに吸い込まれ、これが決勝点に。大仕事を果たし、キャプテンの重責を見事に全うした。

 遡ること2日前。谷内田は神戸弘陵との3回戦で、低調なパフォーマンスからハーフタイムで交代を告げられていた。熊本国府との初戦で痛めた足の状態も少なからず影響したとはいえ、帝京長岡の下部組織である長岡JrユースFC時代を含めても、自身のプレーが問題で交代したのは初めて。

 中学時代からプリンスリーグ北信越に飛び級で出場し、1年次からチームのエースナンバーである14番を背負ってきただけに、この采配は仲間たちも驚いたという。中学時代から苦楽を共にしてきた矢尾板岳斗(3年)も「自分もマジかと感じました」というほどだ。だが、本人は意外にも冷静だった。

「素直に受け止めていた。準々決勝で結果を出すために次へ繋げよう」

 そうした心の準備がこの日の結果につながった。

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