米子北の大分入団内定DF高橋が敗戦を猛省…プレミア昇格ならずも、青森山田との選手権初戦へ「引かずに戦う」

2019年12月14日 松尾祐希

プロの世界で戦うためには「もっとやってもらいたい」と中村真吾監督

来季大分への入団が内定している米子北の高橋(4番)。写真:松尾祐希

 終了のホイッスルが鳴ると、人一倍悔しそうな表情で唇を噛んだ。スコアは0-1。僅差とはいえ、負けたら終わりの一発勝負。大分入団が内定している188センチの大型CBは敗戦の責任を背追い込んだ。

 16チームが4つの椅子を競うU-18高円宮杯プレミアリーグ・プレーオフ。その1回戦が12月13日に広島県内で行なわれ、米子北の高橋祐翔(3年)は北海道コンサドーレ札幌U-18戦に臨んだ。

 守勢を余儀なくされる時間が多い中で、背番号4は高さを生かした守備で最終ラインを統率。周りと連係しながら、何度もボールを跳ね返していく。ゴール前に迫られる回数も少なくなかったが、仲間に声を掛けながらピンチを凌いだ。前半は0-0。押し込まれていたものの、守備は破綻せずにハーフタイムを迎えた。

 以降もタフに戦いながら、北海道王者に喰い下がる。実際に後半は序盤に押し込み、前半以上に攻め込むシーンが増加。あとは決め切るだけ――。しかし、後半12分にゴール前でPKを献上して失点。主導権を握りつつあっただけに、あまりにも勿体無い失点だった。以降も高橋は懸命に戦ったが、最後までこのビハインドを跳ね返せずに敗戦。2年ぶりのプレミアリーグ復帰は果たせなかった。

 試合後、高橋はチームの戦いぶりを冷静に分析しつつ、自身の出来については猛省。とりわけ、口にしたのはビハインド後のメンタリティだ。

「中村先生からも試合後のミーティングで言われたけど、1点ビハインドの時に自分が冷静さを保って、どうやったら得点を取れるかを考えるべきでした。チームを引っ張らないといけなかったし、自分は代表やプロの練習に参加していて、みんなができない経験をさせてもらった。その学びはこういう場面で出さないといけない。自分でもそう思ったし、(0-1になってから)自分がセットプレーから点を取ってやるぐらいの気持ちで引っ張るべきだった」

 悪いプレーをしたわけではない。身体も張っていたし、フィードを入れる回数は限られたが、得意の左足で局面を変える場面もあった。だが、結果には結び付いていない。プロの世界で戦うためには「もっとやってもらいたい」と中村真吾監督から発破をかけられたように、今以上のプレーで相手を圧倒する必要があった。
 

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