【徳島】ロドリゲス監督が積み上げてきたビルドアップの”本質”。日の目を見るまであと1勝に迫る

2019年12月11日 柏原敏

J1参入プレーオフ決定戦は14日の13時から行なわれる

魅力的かつ攻撃的なサッカーを標榜する就任3年目のロドリゲス監督。徳島をJ1へと導けるか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 J1参入プレーオフの2回戦で山形を1-0で破った徳島は、14日(土)に湘南との決定戦に挑む。J1昇格が決定するだけ重要な一戦になることは間違いないだろう。そんな徳島はなぜここまで結果を残せているのか――。

 3月に掲載したコラムで「ビルドアップでしっかりと突破できなければ効果的な攻撃の場面までは持ち込めない」(リカルド・ロドリゲス監督)とプレシーズン最も力を入れたトレーニングについて伝えた。そして、8月のコラムではラスト10試合を「鍛錬したビルドアップで裏返していけるかどうかが徳島の鍵になっていくはずだ」と記した。

 そんな筆者自身だったが、致命的なピンチにつながることもあったシーズン序盤のビルドアップを、懐疑的な目で観ていたと正直に話そう。しかし、ロドリゲス監督とチーム全員が一丸となって積み上げてきた成果は、28節からのクラブタイ記録となる12戦無敗につながる。40節の横浜FC戦(0-1)で敗れたものの、ラスト2試合を連勝し、4位でフィニッシュしたのだ。
 
 シーズンを通して「ビルドアップ、ビルドアップ」とこれだけ伝えておきながらも、ひとつ忘れていたことがあった。それは"足もとでつなぐ華麗なパスワーク"ばかりに目がいっていたことだ。プレーオフ2回戦の山形戦(1-0)でも、山形のアグレッシブな前線からのプレスに対して、パスワークでかいくぐればチャンスが生まれると考えていた。

 ただ、山形戦では「いくつかの使えそうなスペースがあると想定はしていた」(ロドリゲス監督)と浮き球のパスも効果的に使ったのだ。
 

次ページ山形戦での決勝点は偶然ではなく、必然だ

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事