マドリー復調の原動力となったのは2人のヤングタレントだ【現地発】

2019年11月28日 エル・パイス紙

「ダービッツ効果」をもたらした

スター軍団の中で小さくない存在感を放っているのがバルベルデ(左)とロドリゴ(右)だ。(C)Getty Images

 フットボールほどダイナミズムの上下動が激しいスポーツはないのかもしれない。ついこの前まで有機的に機能していたチームが一つの躓きで深い泥沼にはまり込む場合もあれば、低迷していたチームが一つのきっかけで突如生まれ変わり上昇気流に乗るケースもある。

 今シーズン開幕前、フェデリコ・バルベルデ(21歳)とロドリゴ(18歳)の若手2人が迷走を続けるレアル・マドリーの起爆剤になる活躍を見せるだろうと予想した者は皆無に近かったはずだ。

 近年のラ・リーガにおいて、チームの起爆剤としての働きを見せた代表的な選手がバルセロナ時代のエドガー・ダービッツだ。フランク・ライカールト政権1年目の03-04シーズンのバルサは、開幕から低迷を続けていた。しかし指揮官の進退問題も取り沙汰される中、冬の新戦力として年明けにダービッツが加入するとチームは豹変。オランダ代代表MFのアグレッシブなプレーに引っ張られ、後半戦、怒涛の巻き返しを見せた。

 結局ラ・リーガの優勝はバレンシアの手に渡り、シーズン終了後にダービッツはレンタル期間の満了に伴い退団したが、この復調が翌シーズンから2年間でのラ・リーガ連覇と05-06シーズンにチャンピオンズ・リーグ制覇を果たしたチームの躍進の礎となったのは衆目の一致するところだ。

 バルベルデとロドリゴはそれぞれが持ち味を発揮してチームに貢献を見せている。
 
 前者がチームにもたらしているのはまさにチームが欠落していた要素、ハードワークとダイナミズムだ。無尽蔵のスタミナを活かしてピッチを縦横無尽に動き回り、中盤を支えている。特筆すべきは試合を重ねるにつれて大胆さが増している点で、判断力やパスワークといった面でも成長を見せている。

 その活躍はまさに前述のダービッツを彷彿とさせるが、バルベルデには当時の彼が持っていなかった若さがある。長年、ルカ・モドリッチとトニ・クロースが不動のレギュラーとして君臨していたインテリオールのポジション争いを活性化させたという意味においても、バルベルデの果たした功績は大きい。

 

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